戦争・紛争・テロを軽蔑する
下らない。
この地球に、宇宙に、たまたま生存を許されている動物同士が、当人たちだけで盛り上がる大層な旗を掲げて喧嘩を続けている。
滑稽と呼ぶほかない。
幾度も繰り返すが、早晩、どうせ死ぬ命をわざわざ殺してやるような必要がどこに存在するというのだ。
我々はこの大地に四十六億年分のほんの数万年前にひょっこり現れただけの、さらにその数万年分の八十年も生きられない脆弱な生き物だ。
太陽か地球が少し機嫌を損ねるだけであっさりと全滅するような者同士で、やるに事を欠いて殺し合う。
まったく以て下らない、馬鹿馬鹿しい。愚かなことだ。
『宗教』『民族』『自由』といった、単なる言葉の自家中毒者のうち、頭に血が昇りやすい困った個体が引き起こすのがテロ。
少々脳の大きな猿でしかない分際で、大仰な大義を掲げて行う縄張り争いが紛争。
そんな小賢しい猿共が、こともあろうに何十、何百万と集まって繰り広げる大喧嘩が戦争である。
私も含めて、所詮、猿だ。と、いってしまえばそれまでだが、どうだろう、あまりにも虚しくはないだろうか。
本当にチンパンジー程度の脳味噌しかないのであればいい。ウキーと叫んで殺し合いの喧嘩。存分に行うが良い。
しかしながら、止めようと思えば止められる思考能力がありながら、何故未だに止められないのか。
自覚を持つべきであろう。
まず、身の程というものを知るべきだ。ヒトはまだこの大地を間借りしているだけの地を這う動物であるということ。
そして、認識を改めるべきだ。我々は間違いなく猿だが、同時に、物を考える小賢しさを持つ猿だ。何の意味もない行動と知りながらそれを続ける愚かしさを自覚し、即刻中止すべきだ。
何の意味もない。といえば、死ぬと分かっていながら次々と新たな命を生み出し続ける仕草もまた、そうなのだが、何事も一歩目というのは小さなものだ。
殺し合いを軽蔑する。無意味な一生を、せめて気楽なものに変えるには、そこから始めるのが、その一歩である。
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