月光 美沙

月光 美沙/深黒御伽噺

※CAUTION

・こちらの注意書きは必ず読んでください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888092635/episodes/1177354054888097839

・自分が感想を書く時は我が身を顧みません。

・感想は独り言なのでタメ口。作者さんへ送る際は敬語を使います。

・今回の評価の辛さは【普通】です。

【辛さレベル:甘い・普通・辛い・激辛・無制限】


─────────作品情報─────────

作品名:深黒御伽噺

    【短編】


作者名(敬称略):月光 美沙


キャッチコピー:大人も読みたくない、おとぎ話を知ってますか?


タグ:カクヨムオンリー

   おとぎ話

   短編

   大人向け

   ダーク

   シリアス

   R15


─────────あらすじまで読んでの感想─────────

・残酷描写ありなのに追加でR指定…だと…?


・漆黒、ないし深黒…それにこの物騒なキャッチコピー。

 …だよね、そろそろ来そうな気がした。ダークシリアスどんとこい!


・おとぎ話+ダークとなると、グリムだよね。

 白雪姫とヘンゼルとシンデレラまでは見たっけな、私。


・これは…このあらすじは、中々期待させるな。

 私のやつは、どっちかというとそこから希望を見つけようとする、

 小説ならではの希望を入れてるけど、恐らく無いのだろうなここは。


─────────文章全体を見た初印象─────────

・改行や字下げなど、基本的なところは全部やってるな。


・一部、長すぎるところはあるけどこれなら読める。


─────────本編を読んだ感想─────────

どこまで読んだか:【悪魔の財布】


・…良いな、これ。

 まだ、1話で、色々言いたいことはあるけど、手応えは確かにあった。


・ちょっとしたグリムだな、最近はこういうのも減ってきたし、私は好きかな。

 でも、残念なところがあるとすれば…深黒というにはちょっと弱かった。


・短編という枠に収まって、かつ軽く読めるという点では素晴らしいけど…。

 何か足りないな…、逆に期待値が高すぎたのかな。

 …いや、それよりも、軽く読めるからこその物足りなさな気がする。


・一般人の感性としてはこれ、どうなんだろう。

 個人的には、最初の段階で後の展開がほぼ読めちゃうからどうもアレだけど。

 あの棘少女は特に物足りなかった。

 …ん、やっぱりあれだな。軽いのが問題だな。


・どこからどこまでをターゲットとして捉えてるのかをわからないから、

 迂闊なことは言えないけど…。

 こういうのが初見さんの読者には刺さるかもしれない。

 でも見慣れた人には二番煎じの気が物凄くする+深黒と呼ぶにはまだ浅い。


─────────総評─────────

自分評価(★5評価):★★★☆☆


 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている。

 色々、ネタにされがちな言葉ですが、実のところその通りでして。


 世界で見た時、頭がいい人ほど自殺する確率が高いという話もあります。

 世界は残酷で、こんな作り話よりも作り話っぽい、真っ暗な物語が転がってます。

 それこそ、そんじょそこら中に。


 つまりそれを知って、理解してしまえばもう前の自分には戻れないのです。

 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている。

 覗いて、知ってしまった以上、どう足掻いても前には戻れません。


 その意味で、この話は最初の入り口に立っている気がします。

 この手の御伽噺で有名なのはグリム童話ですが、それよりは狂気度が足りない。

 短編というのを意識したからでしょうか。

 描写が物足りなく感じました。


 この手の物語で最も重要なのは、どれだけ人が醜く描かれるかです。

 その醜さを表現するには、これだけでは少し足りません。

 だって、ここで描かれてるのは状況と会話だけですから。

(逆に、わざとそう意図して書いたのかも知れませんが)


 第三者が見てもわかるところ。

 人物の表情や動きに関する描写が細密になれば、これは化けると思います。

 その表現にどれだけ現実味が出てるかによって、人は戦慄するのです。


 これが1つ目の課題で、先決問題です。

 もう一つの課題は、二番煎じ感が拭えない…。

 いや、この場合それよりも、構成が単純すぎる。

 短編だからでしょうけれども、どっちかは解決する必要があります。


 今の所、全6編。

 自分が3分の1時点で結末を想像出来なかった話は存在しませんでした。

 結果としては大体8割くらい合ってましたね。

 これは良いです。もうどんだけ出てるかもわからない。

 この辺りの素材が被るのはしょうがない。


 でも、少し改変するのは全然良いと思うんですよ。

 それこそ作者の腕の見せどころでしょう。

 個人的に、この構成のところは少しがっかりしていたりします。


 深黒と呼ぶにはまだまだ浅い、

 けど、こういう物語が出てくれたのは個人的に嬉しいです。

 …こういう短編も良いな。私も少し考えて見ようかな…非定期更新で。

 そう思いながら、今回の総評を終了します。


─────────作者さんへ─────────


 月光さんのプロフィールを始めてみた時、ピンと来ました。

 あ、これ、この人もシリアス全開の人だわ。と。

 まあ、自分はホラーが大の苦手なので、ホラーだけは読みませんが。


 そして、登録日付を見てはまたビックリしました。

 まさかの2016年1月1日。

 ほぼ3年先輩と言っても過言ではない日付。

 まだ感想を書き始めて8作目ですが、今の所では大先輩になります。

 小説を書き始めたのは、17年からですね。


 作品は明言されてる通りの暗い作品が多いです。

 フォローされてる小説もそういう系のものが多いですね。

 すごくわかります。

 自分も結構、そういう傾向があるので。


 でも、そういう月光さんに少しだけ言っておきたいことが。

 …自分もわかってはいるし、言ったからってどうにかなるものでもないのですが。


 …昔の言葉にこういう言葉があります。

 《歌手は、自分が歌う歌のような人生を送ることになる》。

 この言葉の発信地がどこかはわかりませんが、腑に落ちるところはありました。

 それに自分は、これが物語にも当てはまると思ってます。


 暗い話が好きな人、書く人は、それ相応の理由があります。

 何の理由もなくこういう話が好きな人はいないと思ってます。

 そしてその理由は他人が干渉して良いものでもないし、してもならない。


 なので恐る恐るながら、この言葉を送らせていただきます。

 無理に明るくなる必要はありませんが、

 ―――明るい素材を扱う機会を窺ってみるのはいかがでしょうか。


 未来のことなんて、誰にもわかりません。

 心の片隅にそういう気持ちがあるだけでも、いつか巡ってくるものです。

 これは他人が干渉できない、自分だけの世界の話ですから。


 心の中に無理にでも光を埋め込めば、少しは明るくなれます。

 それが人というものだと思ってます。

 良いことなのか、悪いことなのかは、それこそ本人しかわかりませんが。


 恐れながら進みましょう、月光さん。

 同じ道では無いかも知れませんが、似たような道を歩く人はいっぱいです。

 それに、少し違った道でもいいです。

 互いが互いを理解しようとする限り、まだ希望はあるでしょう。


 知ってますか?

 月光つきあかりの下で、人はみんな青く見えるのですよ?

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