阿呆とバカではどちらがたわけものか(シーズン4-5)

作者 灘乙子

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★★★ Excellent!!!

このレビューのタイトルに、ピンときた方、おめでとう。
あなたはアタリにめぐり合いました。
この作品は、会設立者の文章を、笑いの方向へと大きく舵を切ったエッセイです。

エッセイのおもろさには、二つの流派が存在します。
一つは、自分が関心を持っていることについて述べられたエッセイ。
カクヨムのような小説投稿サイトだと、「執筆がらみ」のエッセイは、どんなにしょうもないもんでも、それなりに読者がおり、評価も成されています。

もう一つは、日常の諸々を上から下から斜めから切り、新たな断面を独自の視点で語るエッセイ。
これは難しい。ほんまに難しい。ウソやと思うなら、自分でやってごらん。できたとしても、せいぜいが五話ですから。
そのうちに、世の雑多な出来事への不満を綴る、抗議文へと成り下がっていきます。
「オレって人と違った見方ができるんだぜ、すごいだろう」自慢たらしい異臭まで漂わせ。まるっきり、凡人のタワゴトであることに気も付かず。
こんなスカが多いものですから、読者の方々も日常よもやま与太三昧のエッセイを敬遠しがちなのは仕方がありません。

だが、このエッセイは違います。掛け値なしに面白い。驚くことに、常に面白い。
読んだ上で異論があれば、私が受けてこます。
と、威勢よく言い放ったものの、人の感じ方は種々盛り沢山であることもまた事実。
僭越ながら、このエッセイを読むにあたってのアドバイスを記させていただきます。

縦にせよ。
改行を頻繁に入れ、空行も積極的に導入することがWEB小説での流儀ですが、これらは横書きされたものを、如何に読みやすくするかを追求した結果の形態です。
WEBで掲載されてはいるものの、このエッセイは紙の本が下敷きとなっています。横書きでなく、縦書きがベースなのです。
このエッセイを「おもんない」「読みにくい」と感じた方は、まず縦にしてほしい。
きっちりと詰まっ… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

「ついに」なのか「やっぱり」なのか、とにかく、あの灘乙子先生が帰ってきてくださ
ったのである。ありがたや。
めちゃくちゃ牧歌的な環境で、ほっこりしたご家庭を築き、ほのぼのと暮らしておられるはずなのに、なぜかやさぐれた文体とすれっからしな角度で日常を切り取る目線はとても新鮮です。関西バージョンの「ちびまる子ちゃん」、もしくは主婦になった「じゃりんこチエ」といったところか。
学生時代にラグビー部のマネージャーをされておられたので、ラグビーにたいへんお詳しいし、岡崎体育の曲もお好きだし、町田康さんの作品もお好きだとのことで、拙僧とほぼドンピシャの趣向なのは、個人的にはたいへん嬉しい書き手さんです。しかし一方で、ラグビーネタなどは、古くから灘乙子先生を支持する、一般的カクヨマーの方々から敬遠されると思われ、PVの伸びも芳しくないかも知れません。それもこれもラグビーがまだ日本においてマイナースポーツなのが悪いのです。
今年はいよいよ、ラグビーのW杯が日本で開催されます。灘乙子先生の観戦レポートを、心から楽しみにしております。
灘乙子先生の電子書籍「山田のはなし」も
若干ラグビーと関係ある、素敵なお話です。
カクヨムで閲覧できるエッセイをご覧になって、灘先生にご興味をお持ちになった方は是非とも「山田のはなし」をお読みください。課金するだけの価値は十分ございます。
「阿保バカ」のエッセイ集もシーズン1から3までもカクヨムで無料公開されております。併せてご覧ください。
前回、公開したエピソードの中からいろいろ選抜されておられるようですが、たしか町田康のコンサートに行った時に、ワキガの観客の臭いが手の甲に染み付いてしまい、そのニオイをご友人に嗅がせて、ご友人から本気パンチを食らったエピソードがカットされていたのは、ちょっぴり残念でした。
あと、近鉄だか阪急だかの石切駅あたりから見える夕焼け… 続きを読む