主人公の語りが面白く、重いテーマを扱っているのに気重にならずに最後までサクサクと読み進められました!主人公と甥っ子の信頼関係。主人公と甥っ子が迷子を気遣う様子。そういう要素も物語を読みやすくしてくれている気がします。山岸さんの言葉が印象的でした。
虐待される子という重いテーマではあり、重い展開もありますが、メッセージ性はあり、いいラストだと思います。
家族内に起きる事件、幼い子供には過酷すぎる。近くにいたのになにもできなかった叔父の心情。失ったもの、傷ついたものを取り戻せたのか、成長しただけなのか。平穏な日常を送れていたようだけれど。
コミカルなキャラクターたちによって、すいすいと読み進めていけます。しかし、子供たちにとって残酷な運命を逃げることなく描き切っています。それらに、どう向き合っていくべきなのか、大人として考え続けなければならないと思いました。