劉粋2  前線守将    

先に記したとおり、劉粋りゅうすい劉毅りゅうきの親戚だ。

だが劉粋は劉裕りゅうゆうに忠誠を尽くした。


劉毅打倒の際にも、人々は親族が

夏口かこうにいることを不安がっていたが、

劉裕は劉粋のことを信じていた。


そして劉裕軍が進撃した時には、

援助を惜しまなかった。


この頃母が死亡。

それで一度職務を辞したのだが、

司馬休之しばきゅうし討伐の段階で再登用。


寧朔さくねい將軍、竟陵きょうりょう太守として、

水軍を率い漢水かんすい周辺に陣容を張った。


その翌年、輔國ほこく將軍となった。

更に劉裕の軍府の副官をも兼務。


劉裕が皇帝となると、

劉裕のサポートをしたという事で

建安けんあん県侯に封爵された。


永初えいしょ二年には、私的に監吏を

使役した、と言う事で免職。

ただしすぐに広陵こうりょうに配属。

長江ちょうこう淮水わいすい間の守備を請け負う。


更にその翌年には寿春じゅしゅんに移動。

北魏ほくぎとの最前線エリアを

守護する任についた。


この地では、

大いに統治における実績を上げた。




衛將軍毅,粋族兄也,粋盡心高祖,不與毅同。高祖欲謀毅,眾並疑粋在夏口,高祖愈信之。及大軍至,粋竭其誠力。母憂去職。俄而高祖討司馬休之,起粋為寧朔將軍、竟陵太守,統水軍入河。明年,進號輔國將軍,遷相國右司馬。永初元年,以佐命功,改封建安縣侯。二年,以役使監吏,免官。尋督江北淮南郡事、廣陵太守。三年,督豫、司、雍、并四州、南豫州之梁郡、弋陽、馬頭三郡諸軍事,鎮壽陽,治有政績。


衛將軍の毅は粋が族兄なれど、粋は心を高祖に盡くし、毅と同ぜず。高祖の毅を謀らんと欲せるに、眾は並べて粋の夏口に在りたるを疑えど、高祖は愈いよ之を信ず。大軍の至るに及び、粋は其の誠力を竭す。母の憂せるに職を去る。俄にして高祖の司馬休之を討ちたるに、粋を起たせ寧朔將軍、竟陵太守と為し、水軍を統べ河に入らしむ。明くる年、輔國將軍に號を進め、相國右司馬に遷る。永初元年、佐命の功を以て、建安縣侯に改封せらる。二年、監吏を役使せるを以て免官さる。尋いで督江北淮南郡事、廣陵太守とさる。三年、督豫司雍并四州、南豫州之梁郡、弋陽、馬頭三郡諸軍事とされ、壽陽に鎮じ、治むるに政績有り。

(宋書45-26_政事)




劉粋の任地がとにかくヤバい。ざっと調べてみたところ、劉粋って毛徳祖、劉懐慎とともに対北魏戦線の指揮官的立場になってる。これはヤバい。しゅごい。


宋書巻45に立伝されるよーな武将のヤバさを、改めて実感するのだ。だが、そうやって考えると「なんでここに檀韶おんねん」疑惑が半端ない。まァ、高平檀氏がそんだけ劉裕に凄まじい貢献をした、ってことなんでしょうね。


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