沈林子10 姚紹死す
兵糧を無事確保できた
大々的に西へ進軍いたします。
あるものが申します。
「
戦いで、だいぶ弱っている。
もはや我が軍に抵抗する力もあるまい」
この動向もあり、
祖父は
「姚紹はまさにこの関中の要将である、
と申せましょう。
しかし我らより圧を受け、
しばしば敗北を続けました。
こうなってくると、
やつの命が先に尽きてしまい、
我らが正義の一撃を
やつに見舞えぬのではないか、
と心配になってまいりました」
そして、間もなく。
姚紹の背にできものが生じ、
それが原因で、死亡。
劉裕様は、祖父の見立てが
実現したのを受け、
祖父に書を賜りました。
「やつがポックリ逝ったのは、
天誅、って言うべきだな!」
姚紹のあとは、
ばらばらになりかけた兵力を
なんとかまとめ、改めて祖父を襲撃。
とは言え、もはや
祖父の相手になるはずもありません。
ろくに戦戈も交わらぬまま、
後秦軍は崩壊。
姚贊は数人の伴とともに、逃走。
連戦連勝の、祖父の軍。
士気も万全であります。
そんな祖父の軍に劉裕様は
書状、財宝を送ってこられました。
より励むように、とのことでした。
兵糧兼儲,三軍鼓行而西矣。或曰:「彼去國遠鬥,其鋒不可當。」林子白高祖曰:「姚紹氣蓋關右,而力以勢屈,外兵屢敗,衰亡協兆,但恐㐫命先盡,不得以釁齊斧爾。」尋紹疽發背死。高祖以林子言驗,乃賜書曰:「姚紹忽死,可謂天誅。」於是贊統後事,鳩集餘衆,復襲林子。林子率師禦之,旗鼓未交,一時披潰,贊輕騎遁走。既連戰皆捷,士馬旌旗甚盛,高祖賜書勸勉,竝致縑帛肴漿。
兵糧を兼儲し、三軍は鼓行し西す。或るもの曰く:「彼れ國より去りたること遠きにて鬥い、其の鋒は當るべからず」と。林子は高祖に白いて曰く:「姚紹が氣は關右を蓋せど、力は勢を以て屈し、外兵は屢しば敗れ,衰亡の協兆あり、但だ恐るらくは㐫命の先に盡き、以て齊斧を釁るを得ざりたるのみ」と。尋いで紹は疽を背に發し死す。高祖は林子が以を言の驗なるを以て、乃ち書を賜いて曰く:「姚紹の忽として死せるは天誅と謂いたるべし」と。是に於いて贊は後事を統べ、餘衆を鳩集し、復た林子を襲う。林子は師を率い之を禦し、旗鼓の未だ交わらざるに、一時にして披潰し、贊は輕騎にて遁走す。既にして連戰皆な捷し、士馬旌旗は甚だ盛んなれば、高祖は書を賜いて勸勉し、竝べて縑帛肴漿を致す。
(宋書100-17_言語)
^^
(以上がコメントとなります)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます