謝晦7  生存戦略    

江陵こうりょうに出た謝晦しゃかいであったが、

このままであれば結局命を狙われる。


そこで西府の実務のドンであった

王華おうかと深く親交を重ねた。

王華と言えば、劉義隆りゅうぎりゅうが江陵にいた時に

サポートとして良く支えた人物である。


また劉義隆の弟の劉義康りゅうぎこう

いとこの劉義賓りゅうぎひんに、

娘を嫁に出したい、と提案。

なおこの提案が通ったかどうかは不明。


更には 425 年には、

妻のそう氏、嫡子の謝世休しゃせいきゅう及び娘の一人を

建康けんこうに帰還させた。


言わば、人質として差し出したのだ。




至江陵,深結侍中王華,冀以免禍。二女當配彭城王義康、新野侯義賓。元嘉二年,遣妻曹及長子世休送女還京邑。


江陵に至り、侍中の王華と深く結び、以て禍を免れんことを冀う。二なる女を當に彭城王の義康、新野侯の義賓に配さんとす。元嘉二年、妻の曹、及び長子の世休を遣りて女を送らしめ京邑に還ぜしむ。

(宋書44-7_寵礼)




劉義賓

劉裕りゅうゆうの弟、劉道憐りゅうどうれんの第五男。どんな功績があったかは不明。それにしても劉裕、先に生まれていた劉道憐の息子たちと自分の息子たちの諱を共有させるとか、どんだけ「一家一致団結していてくれよ」って思っていたのか、って感じである。なにせ自分自身は腹違いの弟二人と諱被っていないですものね。いちど劉裕は親戚の劉氏に里子に出されていたという話もあるし、父親からは疎まれていた気配がある。その揺り戻しみたいなものを、「義」の諱被せに感じられてならない。

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