劉裕79 魏:長安動乱  

劉裕りゅうゆう長安ちょうあんから離れたのに合わせ、

赫連勃勃かくれんぼつぼつが活動を活発化。


長安総督の劉義真りゅうぎしん沈田子しんでんしを派遣、

赫連勃勃を撃退させようとした。


しかし沈田子、陘上けいじょうで進軍を止め、

それ以上進もうとしない。


これを訝しんだ王鎮悪おうちんあく

沈田子の陣に向かい、

進軍するよう、発破をかけようとした。


しかし沈田子、ここで王鎮悪と、

一緒にいた兄弟や侍従たち、

合計七名を斬り捨てた!


そして長安に戻ると、王脩おうしゅうに言う。


「王鎮悪に謀反の嫌疑があり、

 殺しました」


この報告を聞き、

王脩は沈田子が狂ったと判断。

沈田子を捕え、斬った。


この頃長安では、劉義真の周りに

多くの佞臣が付きまとっており、

好き放題に振る舞っていた。


これを憎んだ王脩は

しばしば彼らを制裁していたため、

佞臣たちは王脩を恨んでいた。


そこへ、今回の沈田子殺害。


佞臣たちは、劉義真に囁く。


「王脩の奴、長安が守りに便利で、

 しかも兵も兵糧もたくさんあるのを

 いいことに、謀反を企んでおります。


 これは、早めに

 排除した方がよろしいのでは?」


劉義真、その言葉を信じ、

王脩を殺した。




赫連屈丐掠渭陽,義真遣沈田子率軍討之。田子退軍陘上,鎮惡往就田子議之,田子斬鎮惡於幕下,又殺其兄弟羣從七人。田子馳還,云「鎮惡有異志」,義真長史王脩執而斬之。義真與左右多為不法,王脩每裁割之,左右咸怨,白義真曰:「王脩以關中阻險,兵食又足,欲謀反叛,宜早圖之。」義真遂遣左右殺脩。


赫連屈丐の渭陽を掠したるに、義真は沈田子を遣わせ軍を率い之を討たしむ。田子は軍を陘上に退げ、鎮惡は往きて田子に就きて之を議し、田子は鎮惡を幕下にて斬り、又た其の兄弟羣從七人を殺す。田子は馳せ還り、云えらく「鎮惡に異志有り」と。義真が長史の王脩は之を執え斬る。義真と左右は多きの不法を為し、王脩は每に之を裁割せば、左右は咸な怨み、義真に白いて曰く:「王脩は關中の阻險にして、兵食の又た足りたるを以てて、反叛を謀まんと欲したり、宜しく早きに之を圖るべし」と。義真は遂に左右を遣わせ脩を殺さしむ。

(魏書97-7_仇隟)



この辺の流れは、まんま拾うとバカ kills バカなのがなあ。お互いが疑心暗鬼に陥ってたことを考えると、赫連勃勃あたりの離間策が炸裂してたんじゃないのかって気もしますね。

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