劉裕80 魏:欲の亡者たち

長安ちょうあんの動乱の隙を見て、

いよいよ長安を強襲した赫連勃勃かくれんぼつぼつ

しん軍はまるで抵抗もできずに、敗走。


この時晋人たちは、長安の財貨を

持てるだけ持って逃げようとした。


彼らは灞上はじょうを経て、青泥せいでいにまで辿り着く。

ここで赫連勃勃の息子、

赫連昌かくれんしょうの軍に追い付かれ、

散々に破られた。


この敗戦で晋将の蒯恩かいおん毛脩之もうしゅうしが捕まる。

のちに蒯恩は殺され、

毛脩之は取り立てられた。


一方で、

南燕から晋に帰順した武将、段宏だんこう

晋軍が散り散りばらばらとなる中、

かれは何とか劉義真りゅうぎしんを保護、

自らの馬に載せ、

二人で何とか逃げ延びた。


劉義真の後任として

長安を任されることとなった朱齢石しゅれいせきも、

長安の確保は不可能と判断、退却し、

曹公故壘そうこうこるいに詰めていた王敬先おうけいせん

合流するも、ここでやはり赫連勃勃に大敗。


共に囚われ、殺された。




義真發自長安,將走江東,諸將競收財貨,次於灞上。赫連昌率眾追之,既至青泥,義真大敗,蒯恩與安西司馬毛脩之並被擒獲,參軍段橫,名犯高祖廟諱,單馬負義真走歸。朱齡石亦棄長安,奔就龍驤將軍王敬先于曹公故壘,既而城陷,被執見殺。


義真の長安より發し、將に江東に走らんとせるに、諸將は競い財貨を收め、灞上に次す。赫連昌は眾を率いて之を追い、既にして青泥に至りたれば、義真は大敗し、蒯恩と安西司馬の毛脩之は並べて擒獲さるを被り、參軍の段橫(高祖が廟諱を犯したる名なり)は單馬にて義真を負いて走り歸る。朱齡石は亦た長安を棄て、奔りて曹公故壘にて龍驤將軍の王敬先に就けど、既にして城は陷ち、執わるるを被り、殺さる。


(魏書97-8_衰亡)




宋書ですらここで晋人たちが長安のお宝に目がくらんでいたって書かれているものなあ。ここでつい劉裕が「貪欲な奴らを長安に寄せ集めておいた」って考えてしまうのは……まぁ、小説、デスヨネー。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る