高祖劉裕 南史
劉裕70 南:武帝伝説1
いろいろと載せられている。
細切れにしてもあれなので、
ここで一気に紹介してみよう。
劉裕はひとり講堂の前でごろ寝していた。
すると彼の上に「五色の龍章」が現れた。
詳細は謎。五色の龍章なのだろう。
劉裕の上に現れたそれを見て、
僧侶たちはぎょっとして
劉裕にそのことを伝えた。
劉裕は喜び、言う。
「あんたらみたいな人が
デタラメ言うとも思えねえしな」
父親、
この地は古に「天子の氣」がある、
と言われた地だ。
偶然、墓相占いに長けた人、
そこで劉裕、赤の他人のふりをして、
父親の墓を孔恭に鑑定させてみた。
すると孔恭は言う。
「凄まじいオーラのある場所です」と。
なるほど、やはり俺には
天命があるのかもしれない。
劉裕は自負を新たとした。
劉裕、十数メートルにも及ぶ
大蛇と遭遇。弓でこれを攻撃した。
翌日に改めて新洲に赴いてみると、
物陰から臼をきねで搗く音がした。
覗きこんでみると、
青い服を着た数人の童子が、
懸命に薬を調合していた。
「お前ら、なにしてんだ?」
劉裕が聞くと、彼らは答える。
「王が劉氏の小僧に傷つけられたのだ。
なので王のための塗り薬を
作っておるのよ」
王。あの蛇か。常ならぬ大きさ、
なるほど、なにごとかの神だったらしい。
「お前たちの王は、
何故そいつを殺そうとせんのだ?」
「あの小僧、覇者となる定めにある。
王ですら、やつは殺せんのよ」
それはいい事を聞いた。
劉裕、いきなり怒鳴り散らして
小僧どもを追っ払い、薬を強奪。
帰宅した。
ぇえ……。
ある時劉裕、
足を延ばしたことがあった。
そこで一人の僧侶に出会っている。
僧侶は劉裕の顔を見るなり、言う。
「江南が乱れた時、それを平定するのは、
きっと貴方なのであろう」
いつも先陣を切って戦う劉裕であるから、
刀傷とはどうしても無縁でいられない。
その古傷は、常々劉裕を悩ませていた。
そんな劉裕に、僧侶、黄薬を手渡した。
古傷のところに塗り付けてみると、
たちまち痛みが引いていくではないか。
黄薬の残りと、
青衣の童子たちから奪い取った薬。
これらを劉裕は宝の如く大事に扱った。
大きな怪我を負うごとにその薬を塗り、
治していたという。
嘗游京口竹林寺,獨臥講堂前,上有五色龍章,眾僧見之,驚以白帝,帝獨喜曰:「上人無妄言。」皇考墓在丹徒之候山,其地秦史所謂曲阿、丹徒間有天子氣者也。時有孔恭者,妙善占墓,帝嘗與經墓,欺之曰:「此墓何如?」孔恭曰:「非常地也。」帝由是益自負。行止時見二小龍附翼,樵漁山澤,同侶或亦睹焉。及貴,龍形更大。伐荻新洲,見大蛇長數丈,射之,傷。明日復至洲,裏聞有杵臼聲,往覘之,見童子數人皆青衣,於榛中搗藥。問其故,答曰:「我王為劉寄奴所射,合散傅之。」帝曰:「王神何不殺之?」答曰:「劉寄奴王者不死,不可殺。」帝叱之,皆散,仍收藥而反。經客下邳逆旅,會一沙門謂帝曰:「江表當亂,安之者,其在君乎。」帝先患手創,積年不愈,沙門有一黃藥,因留與帝,既而忽亡,帝以黃散傅之,其創一傅而愈。寶其餘及所得童子藥,每遇金創,傅之並驗。
嘗て京口の竹林寺に游び、獨り講堂が前に臥したれば、上に五色の龍章を有し、眾僧は之を見、驚きを以て帝に白いたれば、帝は獨り喜びて曰く:「上人に妄言無し」と。皇考が墓の丹徒の候山に在りたるに、其の地は秦史に謂いたる所の曲阿なれば、丹徒が間に天子の氣を有したるなり。時に孔恭なつ者有り、占墓を妙善としたれば、帝の嘗て與に墓に經きて、之を欺きて曰く:「此の墓は何如?」と。孔恭は曰く:「非常の地なり」と。帝は是の由にて益ます自負す。新洲に荻を伐きたれば、長さ數丈の大蛇を見、之を射ち、傷つける。明くる日に復た洲に至れば、裏にて杵臼の聲の有りたるを聞き、往きて之を覘かば、童子數人の皆な青衣せるの榛中にて藥を搗きたる見る。其の故を問わば、答えて曰く:「我が王は劉寄奴に射たるる所と為り、之を傅して合散す」と。帝は曰く:「王神は何ぞ之を殺さざるか?」と。答えて曰く:「劉寄奴は王者にして死なざれば、殺したるべからず」と。帝は之を叱りたらば、皆な散じ、仍ち藥を收め反る。經たる客の下邳を逆旅したらば、一なる沙門に會す。帝に謂いて曰く:「江表の當に亂れたるに、之を安んぜる者、其れは君に在りや」と。帝は先に手創を患い、積年にして愈えず、沙門の一なる黃藥を有したるに、因りて帝と留まり、既にして忽亡せば、帝は黃散を以て之を傅したらば、其の創は一なる傅にて愈ゆ。其の餘、及び童子より得たる所の藥を寶とし、金創に遇いたるごと、之を傅し並べて驗す。
(南史1-1_術解)
南史がのっけからガンガン瑞祥を語りまくってて笑う。と言うか宋書と南史の違いって、ほぼ瑞祥を織り込んでるか否かってところの差っぽい。
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