劉裕36 劉裕の大返し
郡守が逃亡してしまった
だが、敗死してしまう。
このニュースは晋国じゅうを震撼させた。
朝廷では
逃げ込んだ方がいいのではないか、
と言い出す者さえ現れる始末だった。
だが、すぐに敵が
押し寄せてくるわけではない知り、
一安心した。
こいつら豫章と建康の
距離感覚わかってねえだろ。
さて
酔いしれたかった劉裕ではあったが、
五斗米道軍の北上を聞いては
そんなことも言っていられない。
慌てて
軍資は船に運ばせ、
自らは精鋭部隊を引き連れて
ダッシュで南下。
道すがら、
今度は何無忌敗死のニュースまで
飛び込んでくるではないか。
え、もしかして建康落ちた?
居ても立ってもいられない。
荷物も捨て、たった数十人の手勢で、
さらに加速して南下する。
そして
建康からやってきた旅人に出会った。
建康の様子を聞くと、旅人は答える。
「五斗米道はまだ到着しておりません。
劉裕様さえ到着できれば、
もはや恐れることはないでしょう」
それを聞いて劉裕、大喜び。
小船で長江を渡り、
人々は劉裕の帰還に
ようやく胸をなでおろすのだった。
鎮南將軍何無忌與徐道覆戰于豫章,敗績,無忌被害。內外震駭。朝廷欲奉乘輿北走就公,尋知賊定未至,人情小安。公至下邳,以船運輜重,自率精銳步歸。至山陽,聞無忌被害,則慮京邑失守,乃卷甲兼行,與數十人至淮上,問行旅以朝廷消息。人曰:「賊尚未至,劉公若還,便無所憂也。」公大喜,單船過江,逕至京口,眾乃大安。
鎮南將軍の何無忌は徐道覆と豫章にて戰いたれど敗績し、無忌は害さるるを被る。內外は震駭す。朝廷は乘輿を奉じ北に走りて公に就かんと欲せど、尋いで賊の定めし未だ至らざるを知り、人情は小しく安んず。公は下邳に至り、船を以て輜重を運ばしめ、自ら精銳を率い步きて歸る。山陽に至り、無忌の害さるるを被りたるを聞き、則ち京邑の失守さるを慮り、乃ち卷甲兼行し、數十人と淮上に至り、行旅に以て朝廷が消息を問うう。人は曰く:「賊は尚お未だ至らじ、劉公の若し還らば、便ち憂う所無かりたるなり」と。公は大いに喜び、單船にて江を過り、逕して京口に至らば、眾は乃ち大いに安んず。
(宋書1-35_王度)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます