劉裕33 張綱
いよいよ攻め立てよう、と
攻城兵器を動員し始めた時。
広固城の城壁からそれを見ていた南燕兵、
劉裕を挑発した。
「お前の軍には
そんなんでこの城が落せるもんかよ!」
張綱は、
攻城具の設計に長けた人である。
この時は隣国の
後秦王の
姚興に救援を要請していた。
表向き姚興は救援を許諾したが、
北に
とてもではないが援軍を
送れる余裕はない。
えっ劉裕を憚ってたって?
いやいやまさかまさか……。
まぁそんなわけで、
援軍送る送る詐欺を働いていた。
そうとも知らない張綱、
後秦首都
その道すがら、晋人の
劉裕のもとに連行された。
ほほう、南燕軍の言っていたやつか。
どれ、じゃあこいつがうちに来たことを
南燕の奴に知らしめてやろうか。
連れて行ける機構のついた車に
張綱を乗せ、南燕軍に示す。
「ファッ!!?」
南燕軍、マジビビりである。
なるほど、効果てきめんのようだ。
劉裕、さっそく張綱に
攻城器具の監督にあたらせた。
そうして出来上がった器具の諸々は
よくわからんけどすごいものだった。
よくわからんけどすごい。
これらが各所に配備されると、
もはや広固城からの
火のついた石、弓矢など、
ありとあらゆる飛び道具が
無効化されてしまうのだった。
公方治攻具,城上人曰:「汝不得張綱,何能為也。」綱者,超偽尚書郎,其人有巧思。會超遣綱稱藩於姚興,乞師請救。興偽許之,而實憚公,不敢遣。綱從長安還,泰山太守申宣執送之。及升綱於樓車,以示城內,城內莫不失色。於是使綱大治攻具。既成,設諸奇巧,飛樓木幔之屬,莫不畢備。城上火石弓矢,無所用之。
公の方に攻具を治めんとせるに、城上の人は曰く:「汝の張綱を得ずんば、何ぞ能く為さんや?」と。綱なる者、超の偽尚書郎にして、其の人は巧みなる思を有す。超の綱を遣りて姚興に稱藩せしむるに會し、師を乞うて救いを請わしむ。興は偽りて之を許したれど、實にては公を憚り、敢えて遣らず。綱の長安より還りたるに、泰山太守の申宣は執えて之を送る。綱の樓車を升らせたるに及び、以て城內に示したれば、城內に色を失わざる莫し。是れに於いて綱をして大いに攻具を治めなさしむ。既にして成りたれば,設諸は奇巧、飛樓木幔の屬に、備え畢えざる莫く、城上が火石弓矢、之を用いる所無し。
(宋書1-32_巧芸)
張綱
なんかすごい人。それにしても宋書は南燕から帰順した人たちをまるで立伝しない。そのため、本当は後々に大活躍したであろう人物がなかったことのように扱われている。この張綱然り、のちの北魏戦で地方司令として活躍している
姚興
後秦二代目皇帝。
飛樓
南史にはもうちょいディテールの紹介がある。「縣梯,木幔板屋,冠以牛皮,弓矢無所用之」とのことだ。通常の樓車よりも圧倒的に防御力が高かったようである。
木幔
言ってみればどでかい盾のことらしい。
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