劉裕24 風俗頓改
3月3日、
神官を呼び寄せ、
改めて
また諸将を
神官の乗る輿を出迎えた。
劉裕に
劉裕は固辭した。代わりに王謐を
そして劉裕には、改めて
すなわち
中央の執政機関はたるみ切っていた。
そのだらしなく緩み切っていた
状態を何とかしようと試みていたのだが、
上手くはいかなかった。
そこへやってきたのが、
ザ・実務の鬼、
いわゆる市井の感覚で宮中を眺め、
ゴリゴリと内部を締め上げる。
お陰でこれまで遅滞していた
行政システムが刷新、
二、三日のうちに粛然と機能し始めた。
また桓玄がその武力を背景に
推戴を受けて皇帝になったとはいえ、
晋の各地方を守っていた地方長官たち、
建康にいた大臣たちは本音を押し殺し、
桓玄に仕える道を選んでいた。
そこへ、劉裕である。
ほぼバックグラウンドがない中、
しかも五百人にも満たない手勢で、
その剛腕を振るい、
市井と言うやぶの中より飛び出て来、
大義を唱え、安帝を見事復位させる。
こんなことをされてしまえば、
声望など、地に落ちるに決まっている。
誰もがそのことに恥じ入り、
縮こまってしまったそうである。
庚申,高祖鎮石頭城,立留臺官,焚桓溫神主於宣陽門外,造晉新主,立于太廟。遣諸將帥追玄,尚書王嘏率百官奉迎乘輿。司徒王謐與眾議推高祖領揚州,固辭。乃以謐為錄尚書事,領揚州刺史。於是推高祖為使持節、都督揚徐兗豫青冀幽并八州諸軍事、領軍將軍、徐州刺史。先是朝廷承晉氏亂政,百司縱弛,桓玄雖欲釐整,而眾莫從之。高祖以身範物,先以威禁內外,百官皆肅然奉職,二三日間,風俗頓改。且桓玄雖以雄豪見推,而一朝便有極位,晉氏四方牧守及在朝大臣,盡心伏事,臣主之分定矣。高祖位微於朝,眾無一旅,奮臂草萊之中,倡大義以復皇祚。由是王謐等諸人時失民望,莫不愧而憚焉。
庚申、高祖は石頭城に鎮じ、臺官を立てて留め、桓溫が神主を宣陽門の外にて焚き、晉の新なる主を造り、太廟に立つる。諸將帥を遣りて玄を追わしむ。尚書の王嘏は百官を率い乘輿を奉迎す。司徒の王謐と眾議は高祖に揚州を領ぜしめんと推せど、固辭す。乃ち謐を以て錄尚書事と為し、揚州刺史を領ぜしむ。是に於いて高祖を推して使持節、都督揚徐兗豫青冀幽并八州諸軍事、領軍將軍、徐州刺史と為す。是の先、朝廷の晉氏を承け政を亂したるに、百司は弛みたるを縱まとし、桓玄は釐整を欲したると雖も、而して眾に之に從いたる莫し。高祖は身を以て範物とし、先に以て禁が內外を威し、百官は皆な肅然として職に奉じ、二三日の間にて、風俗は頓改す。且つ桓玄は雄豪なるを以て推され、而も一朝にして便ち極位を有せると雖ど、晉氏の四方の牧守、及び朝に在す大臣らは心を盡し事に伏し、臣主の分を定めたり。高祖が位は朝に於いて微にして、眾に一旅も無く、臂を奮いて草萊の中より、大義を倡え以て皇祚を復す。是の由にて王謐ら諸人は時にして民望を失い、愧じて憚りたらざる莫きなり。
(宋書1-24_政事)
劉裕さんの英雄ぶりを
懸命に煽っている印象なのだけれども、
このへんを無邪気に信じたら、
劉裕さん行き当たりばったりの
脳筋にしかなりません。
武勇が突き抜けていた、という方向で
アピールしなきゃいけないのは
わかるけど、色んなところで見せてる顔が
明らかに謀略家なんだよなぁ。
知勇兼備、と呼ぶにしては、
だいぶ謀略が陰険だし。
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