劉裕20 三人の英雄   

桓玄かんげんはクーデターが起こったと聞き、

おろおろするばかりで

ろくに対策も立てられなかった。


ある者が言う。


劉裕りゅうゆうどもなぞ雑魚ではありませんか。

 奴らの謀叛などすぐに潰えましょう。


 陛下ともあろうお方が、

 何を憂苦なさっておられるのです」


すると桓玄は答えた。


「馬鹿な!


 劉裕はまさに一世の雄と呼ぶに足る。


 劉毅りゅうきは素寒貧の身であっても

 平然と百万余銭のかかった博打に

 飛び込んでいく豪胆さの持ち主。


 何無忌かむき、あぁ、あいつは

 劉牢之りゅうろうしの甥であったな、

 全く、やつの軍才と来たら、

 伯父にそっくりではないか!


 奴らが共に決起するのだぞ、

 成し遂げられんものなどなかろうに!」




玄自聞軍起,憂懼無復為計。或曰:「劉裕等眾力甚弱,豈辦之有成,陛下何慮之甚。」玄曰:「劉裕足為一世之雄;劉毅家無擔石之儲,摴蒲一擲百萬;何無忌,劉牢之甥,酷似其舅。共舉大事,何謂無成。」


玄は軍の起ちたるを聞きてより、憂懼し復た計を為したる無し。或るもの曰く:「劉裕らが眾の力は甚だ弱し、豈に之の成りたるの有るを辦ぜんや、陛下は何ぞ之を慮えいたること甚しきか?」と。玄は曰く:「劉裕は一世の雄と為すに足る。劉毅が家は擔石の儲無かりせど摴蒲の一擲にて百萬す。何無忌は劉牢の甥、其の舅に酷く似たり。共に大事を舉ぐるに、何をか成りたるの無きを謂わんか?」と。


(宋書1-20_識鑒)




「すげえ奴ら」が実際にどう凄かったのかに晋書も宋書も全然文字数を割いてくれてないんですよねー。いや「一騎当千の武」とかそういうのどうでもいいから、どんな戦役勝ち抜いたとか、そう言う情報をくださいませんかね?

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