劉裕14 クーデター謀議1

桓玄かんげんの配下将として、

五斗米道ごとべいどう軍の残党を追撃するため

再び会稽かいけいまで遠征した劉裕りゅうゆう


そこには、何無忌かむきも従軍していた。


会稽にまで到着すると、

何無忌は劉裕に言う。


「ここで挙兵するべきじゃないか?」


すると劉裕は答える。


「桓玄は未だ簒奪の意図を

 むき出しにはしていない。


 加えて、会稽では遠すぎる。


 この状態では、挙兵したところで

 リスクが大きすぎるだろう。


 奴が簒奪の意図を明確にしたところで、

 京口けいこうでいきなり挙兵すべきだ。


 そうすれば、きっと成功するだろう」



高祖東征盧循,何無忌隨至山陰,勸於會稽舉義。高祖以為玄未據極位,且會稽遙遠,事濟為難,俟其篡逆事著,徐於京口圖之,不憂不剋。


高祖の東に盧循を征せるに、何無忌は隨いて山陰に至り、會稽にて舉義せんことを勸む。高祖は玄の未だ極位に據したるを為さざること、且つ會稽の遙遠なることを以て、事の濟みたるに難を為し、其の篡逆の事の著らかなるを俟ち、徐ろに京口にて之を圖りたれば、剋さざるに憂えずとす。


(宋書1-14_識鑒)




ここで言う劉裕の提案は、

会稽人、孔季恭こうききょうの提案だったりします。


劉裕の若い頃については、

この建国伝説がどんだけ

確かなものかはさておき、

琅邪ろうや王氏とか、会稽孔氏とか、

とんでもない家柄と

人脈があったことは間違いがありません。


何なんだろうねこの人のオーラ……。

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