劉裕7 伏兵と死人
反乱軍、退却の足を止め、
反攻に転じた。
劉裕はヒットアンドアウェーで
何とか総崩れを防いでいたが、
敵の勢いは増し、
こちらの被害は増大する一方。
このままでは崩壊は免れないと危惧、
一気に先ほど伏兵を
仕掛けたところにまで下がった。
そこで配下に命じ、
いくつかの死骸の装備をはぎ取らせた。
そしてその死体を、
リラックスしているかのように
仕立て上げる。
反乱軍は更なる追撃を
かけようとしていたのだが、
向かう先で軽装の兵士が暇そうにしている。
ずいぶんな余裕ぶりだ。
加えて、そこは先ほど伏兵を受けた辺り。
やはりこの辺りに、伏兵がいるのか。
そう疑念をさしはさんだところに、
劉裕軍が反転。
しかも、ずいぶん強気だ。
このままでは一網打尽に
されかねないと思った反乱軍、
追撃を諦め、引き上げる。
敵が去ったのを確認すると劉裕、
散り散りになった兵たちも、
ようやく戻ってくるのだった。
5月、
四千人を殺した。
一方劉裕は
また反乱軍を打ち破っていた。
高祖且戰且退,賊盛,所領死傷且盡。高祖慮不免,至向伏兵處,乃止,令左右脫取死人衣。賊謂當走反停,疑猶有伏。高祖因呼更戰,氣色甚猛,賊眾以為然,乃引軍去。高祖徐歸,然後散兵稍集。五月,孫恩破滬瀆,殺吳國內史袁山松,死者四千人。是月,高祖復破賊於婁縣。
高祖は且つ戰い且つ退く。賊の盛んなるに、領せる所をは死傷し且つ盡く。高祖は免れざるを慮り、伏兵が處に向かいて至り、乃ち止まり、左右をして死人が衣を脫取せしむ。賊は當に走りて反停せんかと謂い、猶お伏の有せるを疑う。高祖は因りて更に戰いたるを呼い、氣色の甚だ猛たれば、賊眾は以て然為りと為し、乃ち軍を引きて去る。高祖は徐ろに歸り、然る後に散りたる兵を稍く集む。五月、孫恩は滬瀆を破り、吳國內史の袁山松を殺す。死者は四千人なり。是の月、高祖は復た賊を婁縣にて破る。
(宋書1-7_妙計)
劉裕の、その武勇だけでない
知恵ものの面ものぞかせていますが、
空城の計と言い、
趙雲別伝まんまなのが気になります。
この辺り、もう少し前の時代に
似たような「名将の機知」的
テンプレが存在してそうだなー。
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