劉裕5 空城の計
402 年になると、
しかし
孫恩はまた海上へ逃れた。
3月、孫恩は
劉裕も孫恩を追って海鹽へと出向き、
防備のための砦を築いた。
敵は日ごとに攻めてくるが
砦内の兵力ははなはだ心もとない。
そこで劉裕は数百人の決死隊を結成。
そして皆で甲冑を脱ぎ、短刀を取り、
太鼓をたたき大声を張り上げながら
討って出た。
反乱軍は劉裕たちのその様子に
恐れおののき、鎧兜も捨て逃げ出した。
このとき敵将の
連戦連勝。
が、反乱軍は多く、こちらは少ない。
加えて日々、傷つくもの、
病を得る者なども増えてくる。
いつまでももつものではない。
そこで劉裕、一計を講じる。
夜のうちに旗をすべて下ろし、
戦える兵士たちに隠れさせた。
城を放棄し逃げだした、
そう演出したのだ。
更に明朝、城門を開け放つと、
目立つところに重症者らを配置。
遠くから海塩の砦を
見張っていた反乱軍、
この様子を訝しみ、周辺の者に聞く。
すると地元のものも言う。
「よ、夜のうちに
逃げてしまったのではないでしょうか」
これに気を良くした反乱軍、
意気揚々と砦に入り、
掠奪に勤しもうとする。
そこで劉裕、姿を現し、
完全に気の緩んでいた反乱軍を
一網打尽とした。
五年春,孫恩頻攻句章,高祖屢摧破之,恩復走入海。三月,恩北出海鹽,高祖追而翼之,築城于海鹽故治。賊日來攻城,城內兵力甚弱,高祖乃選敢死之士數百人,咸脫甲冑,執短兵,並鼓噪而出,賊震懼奪氣,因其懼而奔之,並棄甲散走,斬其大帥姚盛。雖連戰剋勝,然眾寡不敵,高祖獨深慮之。一夜,偃旗匿眾,若已遁者。明晨開門,使羸疾數人登城。賊遙問劉裕所在。曰:「夜已走矣。」賊信之,乃率眾大上。高祖乘其懈怠,奮擊,大破之。
五年春、孫恩の頻りに句章を攻むるに、高祖は屢しば之を摧破す。恩は復た走れ海に入る。三月、恩の北の海鹽に出づるに、高祖は追いて之を翼け、城を海鹽の故治に築く。賊の日に來たり城を攻むるに。、城內の兵力は甚だ弱し。高祖は乃ち敢死の士、數百人を選び、咸なをして甲冑を脫がしめ、短兵を執らしめ、並べて鼓し噪じ出づらば、賊は震え懼れ氣を奪わる。其の懼れに因りて之に奔ざば、並べて甲を棄て散走し、其の大帥なる姚盛を斬る。連戰に剋勝せると雖も、然して眾寡敵さず、高祖は獨り之に深慮す。一なる夜、旗を偃し眾を匿し、已にして遁せるが若くす。明晨に門を開き、羸疾數人をして城に登らしむ。賊は遙かより劉裕が所在を問う。曰く:「夜にして已にして走りたらん」と。賊は之を信じ、乃ち眾を率い大いに上る。高祖は其の懈怠に乘じ奮擊し、大いに之を破る。
(宋書1-5_妙計)
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