汎用性の高い人間への返答

韮崎旭

汎用性の高い人間への返答

「いやまあそういうこともありますけどね、でも仕方がないですよ、ええおおいに、はい、まあそうですが、え、そうですか?へえ、そうなんですか、ええ、ええ聞きますとも、頻繁にね、。その場合でも、重要なのは真剣にならないことなんじゃないですか、先方も人間ですし、ね。」

 

(そこで湯葉を割りばしで雑にむさぼる吉田。)

 

「はい、わかりますよ、お気持ちは、私にもそういったことがないわけじゃありませんし、これでも人間ですからね、でも逐一、…………」

 

(そこで湯葉を割りばしで雑にかき混ぜ、緑茶をむさぼる吉田。)


「気にかけていたところで日は昇っちまうんです、残念ながらね。ええまあね、でもあなたがいま拘泥していることはあなたのすべてじゃないんですよ、のちに確認するとね客観視、が、大事ですよ、こう、俯瞰して、別人になった気分、温泉旅行なんてどうです?」


 (そこで緑茶を雑に割りばしする吉田。)


「あなたってちょっとまじめすぎますよね?自覚がないんですか、よくないですよ真面目なのは、はい、美点ですけどね、しかし悲しいかな、世の人間の大半はひどくいい加減なもんで、え?いや、この前永見川サービスエリアでね、饅頭、売ってるでしょ、サービスエリアほらよく、どうでもいい感じのいい加減な饅頭、それが、でも真剣というよりはとらわれている感じがしますねえ、よくない、視野狭窄の気がありますよ、別人になった気分で饅頭@葬式とかどうですか?よくないなあ、鬱状態のときに無理に動かしたりするのも、すべてを治療としてとらえるのもね、え?」


 (そこでサービスエリアで緑茶を割りばしで雑に湯葉にむさぼる吉田。)

 

「確かに会社に行かないといけないこともありますが休職できないわけでもなし、貴方の問題がすべてじゃないんですよ、それはあなたのすべてではないっていうかね、やっぱり、こもりきりなのはよくない、ええ、で、永見川サービスエリアで饅頭があったんですが、

 

 (そこで長岡に頭を叩き割られる吉田、あふれる脳!血液!脳漿!飛び散る頭蓋骨!いい試合だった、しかもおいしそう!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

汎用性の高い人間への返答 韮崎旭 @nakaimaizumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ