第126話 続き おもしろいことを書くことと、おもしろく書くこと

ちょっとわかりにくかったみたいなので、補足です。


「おもしろいことを書いた小説」と「おもしろく書いた小説」の違いは一言で作品を言ってみるとわかりやすいです。

「ゾンビの特性を生かした本格ミステリ」だとこれと同じものは過去にあったので、それを知っているとおもしろくありません。したがって「おもしろく書いた」になります。私の場合、おもしろいことは新しくなければならないと思っているので。


「ある部屋の住人を高給で雇って、留守の間に犯罪を計画していた犯人を未然に逮捕する」(赤毛連盟)と「犯人が犯行を行う前に犯行を暴く」は同じではありませんが、後者は前者の一部を拡大しただけなので似ている。

前者の方が古いので「おもしろいことを書いた」。後者は「おもしろく書いた」になる。人により判断がわかれるものもあると思いますが、こんな感じです。


ひらたく言ってしまうと、いろんな人が何度も書いているテーマ、誰かが書いたことのあるものをあらためて「おもしろく書いた小説」ってことになります。

「おもしろく書いた小説」の方が売りやすいし、売れることが多いので、オリジナルは必要ないということにもつながるわけです。


第11話 速筆の掟 核にオリジナルは必要ない 古典トリックを一部利用して受賞のケースもある

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888031782/episodes/1177354054888061778


難しそうですが、星新一先生はショートショートを千本書きましたが、ほとんどが新しく「おもしろいこと書いた小説」になっています。


それにしても小説家志望の方の声を聞くと蛇喰夢子(『賭ケグルイ』)の気分になってしまいますね。よくない傾向です。


「また落選ですか? よかったですね。だって編集者に邪魔されずに好きなものを好きなだけ書いて、好きなところに投稿できるんですよ。素敵じゃないですか!」(狂った感じで)


「受賞しやすいから売れそうだからって好きでもないテンプレートを書いて生きることになんの意味があるんでしょう? しかもそれでデビューできなかったら目も当てられませんね」(明るく楽しい感じで)


とか言っちゃいそう。


専門学校で小説書いてる人たちの話を書きたいんですよね。でもどう考えても専門学校のPRになるとは思えないから取材しにくいしなあ……


お仕事が忙しくなってきたので相談の返事が遅くなるかもしれません、。ご容赦ください。

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