第29話 生き残りやすい賞 1の補足 受賞作の初刷り部数の多い賞は生き残りやすい

「受賞作の初刷り部数の多い賞は生き残りやすい」の補足です。

書店で売れやすい状態ってどういう状態でしょう?


1.もっとも目立つ場所に目立つように置かれ、目立つPOPなどがある

何段もの平積みにされ、POPやサイン本が並んでいる状態です。思わず手に取って見る人もいるでしょう。


2.目立つ場所に目立つように置かれ、目立つPOPなどがある

「1.」ほどではないけど、目立っている状態です。


3.普通に棚にささっている。

「1.」「2.」に比べるとかなり弱くなります。


4.店頭に置かれていない。

配本されてから出していない。そもそも配本されていない。


出版不況と言われるように本が売れないのですが、すごく売れるものと売れないものに2極化していると言われます。売れているものは「1.」「2.」になります。出版社や書店が売りたい、売れると思っているものも「1.」「2.」になります。


2極化している以上、「1.」「2.」に置かれないものは、売れない可能性が高くなります。本が売れない時代に、他の売れていない本と同じ場所に同じように置かれたのでは売れない可能性の方が高くなりますよね。


「1.」「2.」になる本は出版社が売りたいと思い、書店の方にもそう思ってもらうよう出版社の営業の方が売り込みし、店頭の場所を確保し、そこにたくさん並べられる部数を印刷して配本します。新人賞の受賞作のために、これらをやってくれるなら本は売れ、生き残る可能性は高まります。

初刷りの部数が一定水準未満(単行本4千部未満、文庫本1万未満)だということは、「1.」「2.」になる可能性はないということです。一部書店では平積みにしてくださる可能性はありますが、多くの書店では無理でしょう。


もちろん、担当編集者や営業の方が頑張ってくださることもとありますし、書店員の方が気に入って広めてくれる可能性もありますし、たまたまネットのインフルエンサーの読者の方が紹介してくれるかもしれません。しかし、それらは確率としては低く、運任せになります。こうした編集者の方、営業の方、書店の方と出会う可能性を高めるのが次に紹介するものとなります。

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