第28話 カクヨム・マラソン経過 最初の短編の文章書きました

とりあえず思いついたシーンをいくつか書きました。区切り(------------------------------------------------------------------------------------------------)ごとに1話にしようと思います。後で順番変えるかもしれません。


オチはまだ決まってません。ジャンルはやっぱりミステリですかね。


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彼女からの連絡

 沙穂梨からLINEが来た。

── お母さんが倒れて救急車で一緒に病院に行っていたの。どうしよう遅刻しちゃう。

 頭の中が真っ白になった。今日は大学の受験日だ。会場まで一緒に行こうと約束していたのに。受験が終わったら告白するつもりだった。

 とにかく落ち着いて、支度をして遅刻してもいいから必ず会場に行くことと返事する。遅刻すると会場に入れないと書いてあったが、事情を説明すれば大丈夫かもしれない。

 なんとかして彼女に試験を受けさせたい。でも時間は迫ってくる。今度来る急行を逃すと、次の急行は三十分後。それでは間に合わない。五分くらい遅れてしまう。こういう時に急行の本数の少ないことが悲しい。

 なにか僕にできることはないのか……



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彼の選択 1

 結局、私は無事に受験できた。合格発表で自分の名前を見た時には涙が流れた。心の中で慎司にお礼を言う。受験日に慎司と交わしたLINEが最後の連絡になってしまった。


 受験の日、私は慎司からのLINEで少し落ち着いた。深呼吸して支度を進め、家を出る。絶望的な気分で走って駅まで行くと、運のいいことに急行が遅れていた。ホームが混雑していてなにを言っているかわからない。このまま待っていていいんだろうか? と不安になって慎司にLINEしたけど、返事がなかなか来ない。

 結局、振り替え輸送で駅前からバスで隣の駅まで行き、そこから折り返し運転をしている急行に乗った。遅延証明の紙を駅で受けとって会場に行くと、急行の遅延で遅刻した受験生のための別室に案内された。私ひとりじゃないことに安心する。慎司もいるかと思ったけど、いなかった。ひとつ前のバスに乗って間に合ったのかもしれない。

 慎司のことが気になったけど、試験が始まるとそっちに集中した。


 慎司が死んだことを知ったのは家に帰ってからだ。


 慎司は私たちが乗る予定だった急行に飛び込んで死んだ。そのせいで急行は止まり、私は遅延証明をもらえて試験を受けられた。受験のプレッシャーに負けたのだ、という人がいたけど、私は違うって知っている。でも誰にも言えない。私を受験させるために飛び込み自殺したなんて、そんなこと誰も信じてくれない。

 合格しても喜びはない。私は死ぬまで慎司の思いを背負ったままだ。


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彼の選択 2

 結局、私は無事に受験できた。合格発表で自分の名前を見た時には涙が流れた。心の中で慎司にお礼を言う。受験日に慎司と交わしたLINEが最後の連絡になってしまった。


 受験の日、私は慎司からのLINEで少し落ち着いた。深呼吸して支度を進め、家を出る。絶望的な気分で走って駅まで行くと、運のいいことに急行が遅れていた。ホームが混雑していてなにを言っているかわからない。このまま待っていていいんだろうか? と不安になった時、慎司に肩をたたかれた。

「振り替え輸送やってるからそっち行こう」

「うん、なにがあったの?」

「人身事故だって、誰かが飛び込んだらしい」

「えっ……」

「でもよかったよ。振り替え輸送で間に合うかもしれないし、遅刻しても遅延証明をもらえるからなんとかなると思う」

 慎司はそう言って微笑んだ。その笑みに邪悪なものを感じた私は吐きそうになった。


 あれ以来、慎司とは会っていない。目撃者が現れて慎司がホームにいた他の乗客を突き飛ばして線路に落としたことがわかってしまったのだ。逮捕されたらしい。受験から戻ると、すぐにブロックしてしまったから彼がどうなったのか知らないし、知りたくもない。ありがたいとは思うけど、二度と現れてほしくない。

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