第3話 応募後に改稿の指示があるのは珍しくない 編集部選考の話

*カクヨムのような投稿サイトで新人賞を主催するのは私が投稿していた頃にはほとんどありませんでした。なのでここに書いてあることは当てはまらないかもしれません。ネットだと他の利用者から丸見えなので、こっそり改稿はやりにくいでしょうね。


2次もしくは3次選考は編集部が中心の選考になります。

編集部によって違いはあると思いますが、残っている作品を全部読んだ上でひとつひとつについて残すが残さないかを決めることになるようです。そのままデビューそしてその後も書いてもらうことを想定している新人賞では、レーベルとの相性、売れるかどうか、テンプレートとの相性(テンプレートを持っている編集部もあります)などなど作品そのもの以外の要素も加味して検討されます。

最終候補に残る作品は編集部として、どれが受賞してもよいと思えるものを残します。そのまま出版することが前提の場合はそれに値する品質と判断したということです。

最終候補になると、担当編集者がつくこともあります。古くからある賞ではこのパターンは多いようです。そして新人賞によっては、最終選考の前に改稿を指導します。なお、最終選考より前の段階でも担当がついている場合は、改稿を求められることもあります。シードは最終あるいはその手前まで意って当然であり、デビューを完全に見据えた体制になっているわけです。

当時、私はネットを検索しまくって、すでに作家になった複数の方が、最終候補の連絡をもらってから改稿したことをブログなどで書いているのを見つけました。私自身も改稿を求められたことがあります。


・最終候補になった時

・担当がついている時


このふたつのどちらかの場合には、すでに応募済み原稿の改稿するよう指示されることがあるわけです。他にもあるかもしれません。


不公平と言えば不公平なのですが、スポーツで言えばシードですし、マンガでは持ち込んだ原稿を何度も編集者にチェックしてもらってから新人賞に出すのは珍しいことではないようです。なので特別ずるいことをしているとは思いません。ただ、そういうことがあるのを公開した方がいいような気はします。

私が最終候補に残ったある賞では、それまでの1次選考、2次選考で名前のなかった作品が突然最終候補で出てきたことがありました。あらためて過去の結果ページを見ると1次選考、2次選考にもその作品の名前が付け加えられていました。これはあまりに露骨でばればれだったので編集部も諦めて該当作なしという苦渋の選択をするこになりました。


ここで思い出してほしいのは、「誰もどんな本が売れるかを正確には予知できない」ということです。仮に売れる内容が候補にあったとしても、それを見抜くのは難しいことになります。編集部の選考を通るかどうかは、運であり確率であるとしか思えないのです。

できるのは売れる確率を上げるための努力です。売れる確率を上げるための努力とはプロモーションやパッケージング(価格、判型、装丁、イラストレータ、頁数、キャッチ、帯など)などです。つまり内容そのものではありません。またほとんどの編集部には統計(プロモーションやパッケージングには不可欠)の専門家はいません。


もちろん、どの編集部も知恵を絞り、できる限りのことをしていると思います。かなりの過重労働をしていた方も珍しくありません。業界慣習や市場環境のために動きがとりにくくなっているのかもしれません。


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