その143:孔雀はソロモンの空を飛ぶ その1
生贄の
運命は俺に何をさせる気なのか?
「天は俺を見放したぁぁぁ――」
思わず叫ぶ俺だった。
日吉の聯合艦隊司令部の長官私室だ。
「吾は見捨てないのだ! 大日本帝国勝利のその日まで必勝の信念をもって、オヌシに憑きまとうのだ!」
天ではないが、もっと邪悪な何かが言った。
俺をこの世界に連れてきた自称・女神だ。
「なんで、こうなるんだ…… ラバウル方面視察とか、完全に死亡フラグじゃねぇか!」
「アメさんの、やり口は分かってんだろうよ。なら、死ぬと決めつけることもあるめぇよ」
対面に座ったごま塩坊主頭の本物・山本五十六が笑って俺を見ている。
心情の底が全く見えない笑みだ。
「なんなら、代わりにちょいと行ってやってもいいんだぜ?」
「いや…… それも、ちょっと……」
死生観、価値観が現代人の俺とは全く異なる帝国海軍の軍人。
それも大将で、本物の聯合艦隊司令長官なのだ。死ぬ覚悟などとっくにできているのだろう。
かといって、代わってもらうのは、自分が情けない感じで気が引ける。
(この人は史実では死に場所を求めていたって説もあるしなぁ……)
山本五十六は対米戦に反対しながらも、その戦争の中心となって動かざるを得なくなった。
真珠湾攻撃を提案したとき、最初は「全員特攻」を提案したくらいだ。
日本人の恐怖を叩きこみ、アメリカの戦意を挫くためだと説明している。
本心は、日米戦の無謀さを主張する、聯合艦隊司令長官としての最後の抵抗だったのかもしれない。
しかし――
誰もその心を読ませない。山本五十六大将とはそんな人物だった。
今は終戦に向け、表の山本五十六として国内で動いてもらっている。
軍政面に介入し、さらには終戦に向けた方向性も模索中なのだ。
実戦部隊の指揮は俺の役目となっている。
今回、俺は失敗とは言えないまでも、アメリカに主導権を取られ、ラバウルに結構な損害を出した。
戦局が大きく動くと言うほどではないが、前線の兵士にとっては厳しい状況になっている。
「B-17くらいしか飛んでこれねぇだろ。ま、それでもラバウルでは苦労しているって話だが」
「火力の大きな雷電はブイン、バラレ中心でしたが、その機材も被害を受けてますし―― 夜間の嫌がらせ爆撃はキ45「屠龍」二式複座戦闘機が落としているようですけどね」
迎撃戦闘では新型の零戦以上の威力を発揮する雷電。
20ミリ機銃4門に、最高速度330ノット(時速610キロメートル)以上の高速。
世界最高水準の上昇力。
日本海軍機としては異例の高い防御力。
空戦フラップにより、空中機動力も外見を裏切る素早さだ。
1943年3月の時点では、世界中を探しても総合性能で優る戦闘機を見つけるのは困難だろう。
しかし新型機ゆえにまだ十分に数を揃えられない。
陸軍も迎撃機として欲しがっている。
キ65重戦闘機として、史実でも採用の動きはあったのだ。
この世界の雷電の高性能はその動きを本格化させている。
しかし、ライセンス生産を打診している川崎との調整が進んでいないらしいのだ。
陸軍内部の水冷戦闘機派も、三式戦の生産を絞り、海軍の雷電を生産するのに反対しているとのこと。
メンツの問題というより、生産ライン移行にかかる時間と、雷電の高高度性能が三式戦に劣ることが指摘されているようだった。
生産は立川飛行機あたりになるかもしれないという情報もある。
伝聞情報ではあるが、中々雷電の陸海軍の共用は進まない。
実戦で陸海軍の共用が実現しているのはキ45「屠龍」二式複座戦闘機と100式司令部偵察機くらいなものだ。
屠龍は、同じようなコンセプトの月光の開発を止め、陸海軍で共用することになった機体だ。
主力機では無い分、スムーズにいったところがある。
ライセンスを請け負ったのが、生産力のある中島飛行機であったのも大きかった。
「とにかく、攻勢作戦がとん挫して、今は防戦一方なのは事実だ。被害も受け、前線の士気に問題が出る可能性はあるぜ」
山本五十六(本物)が目元の表情を一切変えることなく、俺に言った。
言っていることは正しい。
空母機動部隊により、アメリカ軍の航空基地拠点となりつつあるガダルカナル島。
通称「ガ島」を徹底的に叩くつもりだったのだ。
それが、敵に先手をとられ、同時多発的な航空基地奇襲を受けてしまった。
(D暗号の乱数表は変えたはずなんだが……)
日本海軍のダダ漏れといわれた暗号も、乱数表の更新で解読不能の時期を作ることはできる。
そもそも、暗号が解読されたといっても、100%相手の作戦が分かるわけではない。
そこには、分析・推測の余地が入る。ミスは生じるし、乱数表の変更は相手に手間と時間を消費させる。
解読される前に作戦が終われば、全く問題はない。
でなければ、キスカ撤退、ガダルカナル撤退が成功するはずもない。
しかし、アメリカ側の成功例の方が多いのも事実。
ミッドウェー海戦しかり。
そして、山本五十六の乗った一式陸攻の撃墜。
いわゆる「海軍甲事件」だ。
「乱数表を更新して、さっさと行って帰ってくればいいんじゃねぇか。大丈夫だろう」
「理屈の上ではそうかもしれませんけどね……」
乱数表を更新しても、どこかで古い乱数表を使われたらアウトだ。
P-38「ライトニング」の機銃弾に撃ち抜かれて死ぬ。
もしくは、撃墜死か?
山本五十六の死因については、戦後は色々な謎が話題に上がったりするのだが、俺は正解を知りたくはない。
生き延びて、とにかく戦争を終わらせねばならない。少なくとも史実よりはマシなレベルでだ。
「生ける軍神、聯合艦隊、山本五十六が前線視察すれば、士気も上がるだろうよ。同時にガ島方面に攻勢をかけりゃいい」
「そんな、攻勢とか…… 戦力を整えるのに一月はかかりますって……」
そうなると丁度、その時期が、目の前にいる本物の命日くらいの日付になることを思い出した。
1943年4月18日が命日。
この世界で戦死して「死んだ軍神」にはなりたくない。
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「迎撃戦闘の方が、空中戦での戦果は挙がるんですけどね――」
俺は、しばらくは攻勢防御的方向で行きましょうよと言外に滲ませる。
そして、行間に「俺は行きたくありません」という心情を乗せる。
「にぃぃ」と一見人懐こそうな、
しかし、
本当に、なにを考えているのか分からぬ人なのだ。
「しかしよ、攻撃による地上の被害…… これは無視できるのかい?」
苦しい中でも、昼間は雷電、夜は屠龍の迎撃戦闘で、B-17に対し少なくない戦果を挙げている。
それでも、敵は攻撃の手を緩めてはこないのであるが……
「キルレシオは完全にこっちが上だと聞いています」
「ま、それを信じるにしてもよぉ、アメさんの戦意は折れるのかい? ソロモン方面からの侵攻を断念させることはできるのかい?」
「え…… それは……」
こちらの空母部隊も損害を受け、十全に動ける状況ではない。
しかし、アメリカ海軍もそれは同じかそれ以上に厳しい状況のはずだ。
少なくとも1月間は、空母の活動は封鎖できる。これが半年になれば、もう状況は分からなくなるが。
「攻撃を完全に防いで、相手の戦意を折れるならいいさ。しかし、そうもいくめぇよ」
「確かに、そうですね……」
戦後――
研究家の人が集計すると防空作戦の方が、撃墜機が多く、戦果が挙がっているという事実も分かってくる。
1944年の段階でも互角以上の「空戦」を行っている事例は多い。
しかし、それは「空戦」だけの話だ。
しかも互角以上程度では、戦争には勝てない。それは歴史が証明していることだ。
そして、地上被害が与える士気への影響は定量的計算をするものじゃない。
防空戦闘ばかりでは、前線で戦う搭乗員たちの士気はやはり下がっていく。
戦後、多くの搭乗員がそのことを口にしていた事実は重い。実際に戦っていた人間の意見なのだ。
俺は、それを知っているのだ。
搭乗員はバカじゃない。むしろ超優秀。
戦争全体を俯瞰すれば、防空戦闘中心が何を意味しているか、理解するのはたやすいことだ。
「ガ島の補給線を断つという戦略目標の達成に、俺が行く意味はあまりないと思いますが……」
俺は知っている事実を心の奥にしまいこみ言った。
「いや、あるね―― 本当は知ってんだろ?」
格が違う。俺は向こうの考えは読めないのに、俺の考えはダダ漏れのようだ。
本物・五十六の大きな目玉が俺の心の棚を覗きこむように動く。
前線の搭乗員が「山本五十六を見て、奮い立った」という意見は戦後、山ほど出ている。
それだけのカリスマ性を持った存在だったのだ。
まあ、俺は偽物だけど…… とりあえず、外見は他の人には見わけがつかなくなっている。
要するに山本五十六の前線視察の影響は定量化できないが、その効果はあったかもしれないのだ。
史実で山本五十六がソロモン方面に視察に出たのは「い号作戦」の激励のためだ。
「い号作戦」は空母機200機まで地上に降ろし、アメリカ軍基地三か所を同時攻撃する作戦だった。
この作戦に対しては、日本側の評価は低い。投入した戦力に対し、被害が多く、戦果が挙がらなかったからだ。
しかし、当時の史実における戦力差を考えると、アメリカに相当の混乱を起こし、10日間ほど行動計画を遅らせたとされている。
ちなみに俺は、今のところ、空母機を地上基地に配備する気はない。
やるなら、空母を動かして攻撃する。空母が存在するというだけで、かかる圧力は全然違うからだ。
しかし、それは十分な空母があればということ――
こちらの空母機動部隊だって、十分に動かせるわけではない。
被害を受けた空母は多い。そこまでいかなくとも、整備が必要な空母もある。
動かせそうなのは正規空母3~4隻で、小型空母2隻くらい。
今は、アメリカ空母群より優位かもしれない。
多分、1~2月間くらいは。
電波諜報情報も、それを裏付けるデータを出している。
しかし、空母の数だけじゃ済まない問題もある。
重油の問題だ。先の海戦で結構重油を使ってしまった。
戦時標準船の建造計画は進んでいるが、船舶不足はあっちこっちで起きている。
最重要作戦エリアの補給基地であるトラック諸島に重油を送る船舶も不足している。
油があるのに運べないのだ。戦線が大きすぎ、それに比べ船が少なすぎるのだ。
アメリカの通商破壊攻撃が不活発でも、船舶は不足している。
おまけに、魚雷の不備を補うかのように、米軍は航空機や潜水艦で機雷をまき散らす。
それにより速やかな補給活動が困難になっている。
実際問題、空母機を地上に降ろすという考えも理解できなくなない。
しかし、それは後々決戦兵力や交通遮断戦力としての空母の威力をすり減らす結果になる。
今年の後期あたりに、大日本帝国の外殻防衛ラインに対する動きがあるかもしれない。
マーシャル、ギルバート諸島に対する、アメリカ海軍の攻勢。
そのときに、動ける機動部隊は必須になる。後知恵ゆえに言えることなのだけど。
「ガ島への攻勢は考えています。占領ではなく、補給線を断つという意味で」
「まあ、分かるけどな。陣頭指揮は海軍の伝統なんだぜ。知ってるだろ?」
「まあ、知ってますけど……」
「こっちの動きが分かっても、アメさんの選択肢は、限られる。対策はいくらでもあるだろうよ」
確かに山本五十六乗機撃墜作戦は、アメリカにとっても困難な作戦だった。
ちょっとした齟齬で、失敗する可能性もあった。
一式陸攻の出発時間がちょっとずれただけでも、アメリカはその実行はできなかったかもしれない。
時間に正確という大日本帝国海軍の規律の正しさが裏目にも出ている。
そして一式陸攻も史実の陸攻ではない。
防弾性能は格段に上がっている機体だ。
俺は、イスにもたれかかり、見慣れた天井を見た。
俺は大きく息を吸い込み、肺の中に空気を溜めこみ、そして吐きだした。
「ガ島攻勢作戦とワンセットで考えますか――」
俺は言った。まるで目の前の男が大きな運命の流れそのものに見えた。
◇◇◇◇◇◇
「最前線視察による士気向上! 無敵・鎧袖一触! 大日本帝国・聯合艦隊の空軍戦力をしらしめるのだぁぁ!」
女神さまは戦地視察に行けるということで、テンションが上がりまくっている。
「女神様」
「俺、死んだらどうなります?」
「ん?」
「一応、神様ですよね。復活させるとか、転生させるとか――」
「アホウかぁ! 生命の尊厳を甘く見てはいけないのだぁ! 生きるということは死があるからこそ尊いのだ! 復活とか転生とか考えが甘いのだぁ! ひとつの生命を燃やしつくし、アングロサクソンを撃滅するのだ!」
そう言う女神さまは「七生報国」と墨痕鮮やかに背中に書かれた白いワンピースを着ていた。
どこで、そんなモノを買ったのか?
そもそもそんなものを着るのはこの女神以外にいるのか?
そんなことを思わせる服だ。
この女神は日本人に「勘違い」「ど忘れ」をさせることしかできないのだ。
それも、かなり限定された範囲で。ほぼ、無力で無能のポンコツ女神だ。
ファッションセンスもかなりポンコツで、もはや神の威厳もクソもない存在となっている。
午後からは幕僚たちと会議がある。
資料はもう出来ていて、目は通している。
なんか、俺のソロモン方面行は、決定事項になっているようだった。
本物・山本五十六の政治力か――
まあ、乱数表の更新は、間を空けず連続で行う予定だし、行動予定の通りに行動する気もない。
それで、何とか生きて帰ってこられるんじゃないかと思う。
「陸軍の工兵機材に、『92式防弾具』とか『98式鉄兜』とか亀の甲羅みたいな『試製亀甲型防盾』ってのがあるんですけど…… 陸軍から手配できないですかねぇ」
「アホウか! 聯合艦隊司令長官ともあろうものが、陸軍の工兵機材に頼るとは!! 軟弱なのだ! 精神がたるんどるのだ!」
女神はどこからか、「軍人精神注入棒」と書かれたバットのようなものを取り出し振り回し始めた。
小さな体のくせに、鋭いスイングで風切音が響く。
あぶねェよマジで。
「陸軍なめるなよ! 92式防弾具とか98式鉄兜は結構防弾性能が高いぞ! 98式鉄兜は厚さ2ミリの特殊鋼だからな。角度によっては12.7ミリも滑るかもしれん。試製亀甲型防盾は6ミリの装甲厚があって……」
「そんなもんを身につけて一式陸攻に乗る聯合艦隊司令長官を見たら、兵の士気はダダ落ちなのだぁぁ!」
俺はその光景を思い浮かべる。
真っ白な海軍制服ではなく、性能はともかく野暮臭いデザインの陸軍の防弾具、重たい鉄兜、おまけに背中に亀の甲羅みたいな装甲板――
そんな聯合艦隊司令長官がいるだろうか?
《i_17aa2510》
いたとして、どうだろう。
カリスマ性が一気にマイナスになりそうだ。兵の士気がガリガリに削られそうな気もする。
確かに女神の言っていることは珍しく正しい。
「P-38は20ミリも持ってるしなぁ…… やはり気休めか……」
まあ、その気休めですら、欲しいことであったが、会議で提案するのは止めにしようと思った。
陸海軍の協力という名目にするには、あまりにひどすぎる。
アカン…… 俺は、冷静さを失っているようだ。
「とにかく、鬼畜米英を駆逐し、アングロサクソンを虐殺し殲滅する! この世界に八紘一宇の楽天地を作ることだけを考えるのだ! 考えを切り替えるのだ!」
前の方の主張はどうかと思うが「考えを切り替えるのだ!」というのは賛成できる。
俺はソロモン方面の状況を考えた。
ガ島の補給線を攻めまくる方針は維持している。
先月の「ソロモン・ラバウル沖海戦」で空母による封鎖が十分にできなくなっている。
アメリカのガ島への輸送ラインは細くではあるが、生きている。
「水雷戦隊、駆逐艦の数もやはり足りないか……」
狭い海域では、小回りの利く駆逐艦が役に立つ。
跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する敵の魚雷艇対策にもなる。
震洋は対抗できるが、あれは大発の護衛用で、こちらから積極的に魚雷艇を狩ることは難しい。
航続力がない。
「雑木林型の駆逐艦建造は、本物さんに捻じ込むように言ってあるけど…… 海防艦建造ほど進んでないか……」
雑木林型とは「松」とか木の名前が付けられた量産型駆逐艦だ。
史実ではガ島における駆逐艦の消耗で量産されたものだ。
とにかく、駆逐艦は数が必要であることは、ガ島の消耗が無くとも同じだった。
で、量産計画を進めるようには動いている。
正式には「松型駆逐艦」とか「丁型駆逐艦」といわれる。
速度性能に目をつぶっているが、量産性が高い。
おまけに対空、対潜能力は日本海軍の中では最高水準の駆逐艦なのだ。
「潜水艦による封鎖って難しいよなぁ…… やはりレーダーがなぁ」
アメリカ本土西海岸に展開していた潜水艦を転用して、ガ島周辺を封鎖しているが、それほど効果は上がってない。
史実ではア号作戦後に「散開線」が否定され、「散開面」展開をしているが、そもそも会敵の機会が少ない。
島ひとつだから、航行密度も低いのだ。
逆に浮上中に発見され、損失する潜水艦も出ている。
史実のア号作戦で生還できた潜水艦の75%が電探を備えていたというデータがある。
34隻(輸送作戦除く)投入して18隻の損失だったが。
ちなみに戦果はゼロだ。これが史実における厳しい現実だった。
「潜水艦を生かすも殺すも、電子機器次第なんだよなぁ……」
こっちの方も予算をぶんどったはずだがどうなんだ?
1年装備が早まれば、色々出来ることは増えるのだけど。
受信の方のシステムの欠点とか知っている限りのことは伝えているけど……
俺はそれも会議で確認すべきことだと記録する。
「基地航空隊の復旧も急がせなければならんし―― 機材はなんとかなるとしてだ……」
ブイン、バラレの航空基地も損害を受けている。
それを支える後背基地としてのラバウルのダメージで、機材の補充が遅れている。
それでも、他の問題に比べればまだマシだった。
「ニューギニアはニューギニアで精一杯、限界に近い」
ラビ、ブナのニューギニア主要基地は、陸軍航空隊が合流している。
しかし、こっちはこっちでポートモレスビー基地の維持のため、それでも余力がない。
現地では鋭意努力をしているのは分かっている。
だが、ソロモン方面に回せるだけの戦力はほとんどないのだ。
「ガダルカナルの基地機能を一時的にも使用不能レベルにできれば――」
それは、俺の生存確率を急上昇させることでもあり、周辺海域の封鎖にも有効なのだ。
なにか、手段があるはずだと俺は思った。
■参考文献
戦史叢書 潜水艦史 防衛庁防衛研修所
工兵入門―技術兵科徹底研究 佐山 二郎
山本五十六 田中宏巳
※1:孔雀とはアメリカ軍の山本機撃墜作戦における、彼のコードネームです。
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