第5話  一件のメール

 千夏が、コロッケを揚げていた午後7時頃である。

 彼女のスマホに1件のメールが入った。

 メールの宛名は、千夏ではなく

   「ジャンヌ洋子ようこ」であった。

 千夏は、器用にも右手でコロッケを揚げながら、左手でメールを見た。

   「ジャンヌ洋子 様」

   「私は、千葉県の香取市佐原かとりしさわらに住む石川夕子

    (22歳)です。」

   「私は、毎日電車で佐原から成田市の会社まで通勤しているのですが、

    ここ2,3日帰宅途中の電車内で、私に対する不気味な視線と

    雰囲気を感じるのです。」

   「昨日は、怖くなって電車を降りてから、地元の水郷警察署に相談に

    行ったのです。」

   「でも、警察署では、連続殺人事件の発生は、東京~埼玉だし、

    あなたが、具体的に何かストーカーされているのですかと言われ、

    相手にしてもらえませんでした。」

   「今も帰宅途中の電車内なのですが、また、恐ろしい視線を感じて

    います。  どうか助けて下さい。」  

このメールを見た千夏は、瞬間に

   「大変だ! この子は、連続殺人犯に狙われている」

と、透視能力で解析した。

 千夏は、直ぐ夕子に

   「その男は、とても危険!」

   「JR佐原駅の構内で私が行くまで待っていて、約50分位で

    着く予定・・・ ジャンヌ洋子 」

と、返信した。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る