第1389話青海原 風波なびき 行くさ来さ
二月十日、内相の宅に於て、渤海大使小野田守朝臣を餞して宴せし歌一首。
※天平宝字二年(758)二月十日。紫微内相藤原朝臣仲麻呂邸における、渤海大使小野田守朝臣等の餞別会での歌。
※渤海:中国吉林省から、朝鮮半島北部にかけて存在した国。高句麗の後身。
※渤海大使小野田守朝臣:天平二年正月十三日、大伴旅人が大宰府で開いた梅花の宴の幹事役。家持とは旧知の関係。
青海原 風波なびき 行くさ来さ つつむことなく 船は早けむ
(巻20-4514)
右の一首は、右中弁大伴宿祢家持。未だこれを誦せず。
(これから向かう)青海原は、風も波も静かで、行きも帰りも、障害もなく、舟は早く進むことでしょう。
※「未だこれを誦せず。」の事情は不明。宴会に参加しながら、家持は、藤原仲麻呂から嫌われていた(意地悪をされた)ので、詠んで用意したけれど、「発表の場」を与えられなかったらしい。
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