第1260話天雲の そきへの極み 我が思へる

阿倍朝臣老人の唐国に遣わされし時に母に奉りし悲別の歌一首

※阿倍朝臣老人:伝未詳。遣唐使としては、天平五年(733)と推定されている。


天雲の そきへの極み 我が思へる 君に別れなむ 日近くなりぬ

                       (巻19-4247)

※天雲の そきへの極み:大空にたなびく雲のように。

※君に:この歌では、母の意味。


大空にたなびく雲のように、いつまでも限りなく一緒にいたいと思っている我が母と、お別れするだろうと言う日が、近づいてまいりました。

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