第1190話天平十八年の正月(4)新しき 年の初めに 豊の稔

葛井連諸会の詔に応へし歌一首

※葛井連諸会:作者は従五位下。


新しき 年の初めに 豊の稔 しるすとならし 雪の降れるは

                      (巻17-3925)


新しい年の初めに、豊作となる瑞兆なのです。

これほどまでに、雪が降るとは。


正月の大雪を、その年の豊作の瑞兆と見る。

もしかすると、当時、そんな俗信があったのかもしれない。


ただ、この歌も正月の、しかも帝主催の酒宴であるので、見るもの全てを、褒め称え、瑞兆にする。

それが、招かれた官僚の「役目」でもあった。

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