第1189話天平十八年の正月(3)山の峡 そことも見えず 一昨日も

紀朝臣男梶の応へし歌一首

※紀朝臣男梶:前歌紀朝臣清人と同族らしい。


山の峡 そことも見えず 一昨日も 昨日も今日も 雪の降れれば

                       (巻17-3924) 


山の谷間も、はっきりとは見えません。

雪が一昨日も昨日も今日も降り続いているので。


この歌の「雪」も「帝の御威光と恵み」を意味する。(帝を褒める歌)

単に雪が降り続いていた結果の景色を詠む歌とは、理解してはならない。


あくまでも正月の帝の前の酒宴である。

どんなことでも、帝を褒めたたえ、れによって自分の一族の安定と繁栄を願うのである。

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