第1188話天平十八年の正月(2)天の下 すでに覆ひて 降る雪の

紀朝臣清人の、詔に応へし歌一首

※紀朝臣清人:この時従四位下。治部大輔文章博士。東宮侍講職を勤めた。


天の下 すでに覆ひて 降る雪の 光を見れば 貴くもあるか

                     (巻17-3923)

※降る雪の光を見れば:「雪の光」は帝の御威光、恵み。


天下を全て覆いつくす、帝の御威光と御恵みを拝見いたしておると、実に貴いものであると、感じるのであります。


これも、正月、帝の前で正式な酒宴であるので、「帝の御威光と御恵み」を褒めたたえるのが、臣下の大事な役目。

大雪を目の前にした酒宴であるので、大地を覆いつくした雪を、帝の御威光と恵みに、なぞらえるのは、当然となる。


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