第1038話 面形の 忘れむしだは 大野ろに

面形おもかげの 忘れむしだは 大野ろに たなびく雲を 見つつ偲はむ

                            (巻14-3520)

※大野;広い野原、原野


あなたのお顔を忘れてしまいそうな時は、広い野原の上にたなびく雲を見つつ、偲ぶことにいたしましょう。


例えば春の空、広々した野原の上、ぽっかりと浮かぶ雲に、夫や、別れた人を想い続ける人の歌。

送別会の歌かもしれない。


私はその雲に愛しい人を思うから、その人も雲として自分を見ていて欲しい。

そんな気持ちだろうか。

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