第1029話置きて行かば 妹ま愛し 持ちて行く
防人歌
置きて行かば 妹ま愛し 持ちて行く 梓の弓の 弓束にもがも
(巻14-3567)
後れ居て 恋ひば苦しも 朝猟の 君が弓にも ならましものを
(巻14-3568)
置いて行ってしまえば、妻のことが愛しくて仕方がないと思う。
せめて、握りしめて行ける、この梓の弓の弓束であって欲しいけれど。
貴方が防人として旅立ってしまえば、後に残される私は恋しくて苦しくて仕方がなくなると思います。
できることならば、毎朝、貴方が猟にお使いになる弓にでも、なりたいと思うのです。
防人の夫婦の悲しい別れの歌になる。
夫は、「弓束として握りしめていたいけれど」と、ほぼ諦めの心理。
しかし、妻は夫の旅立ちを認めたくない。
だから、「朝猟の 君が弓にも ならましものを」、「毎朝、貴方が猟にお使いになる弓にでもなりたい」と詠む。
(自分が、夫にとって、毎朝使う弓であれば、離れることはない、つまり旅立ちはない)
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