第1030話防人に 立ちし朝明の かな門出に
防人に 立ちし朝明の かな門出に 手離れ惜しみ 泣きし子らばも
(巻14-3569)
防人として出発した日の夜明け、門出の時に私が離れていくのを惜しみ、泣いていたあの子は、どうなったことだろう。
泣いていた「子」が、「恋人」の説と、「自分の子供」の説がある。
どちらであっても、旅立つ人、残される人、足が地につかなくなるほどの寂しさと思う。
帝の命令とはいえ、何故、こんな寂しい思いをさせるのか。
そんな思いを抱き、見知らぬ道を歩き続けた防人たち。
また、生きているか死んでいるかも、教えられず、ひたすら待ち続ける人たち。
防人は無事に帰って、待ち続けた人と、再会が出来たのだろうか。
1300年過ぎても、そんな思いを抱かせる切実な歌である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます