第904話我妹子に 恋ひてすべなみ 白たへの

問答


我妹子に 恋ひてすべなみ 白たへの 袖返しし 夢に見えきや

                      (巻11-2812)

我が背子が 袖返す夜の 夢ならし まことも君に 逢ひたるごとし

                      (巻11-2813)


愛しい貴方が恋しくてたまらなくて、袖を折り返して眠りました。

貴方の夢に、私の姿は見えたでしょうか。


愛しい貴方が袖を折り返した夜の夢なのですね。

本当に貴方にお逢いしているかのようでした。


袖返しは、袖口を折り返して裏側を表にすること。袖返しをして眠ることは、夢の中で恋人に逢うための呪い。


男女の掛け合いの歌。

男の必死さに、女が上手に合わせているような雰囲気である。

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