第903話人言を 繁みと君を 鵜鳴く

人言を 繁みと君を 鶉鳴く 人の古家に 語らひて遣りつ

                   (巻11-2799)

※鶉鳴く:「古し」にかかる枕詞。鶉が鳴くような古いあばら家の意味になる。


世間の噂がやかましいので、よその人の古い家で逢瀬をして、家に帰しました。


人知れない古いあばら家で、夜に密会、逢瀬をして、その後は恐ろしくなったのか、相手を家に帰したようだ。


幽霊とか物の怪の類に取りつかれることを恐れたのかもしれない。

照明施設も整備されていない古代、しかも、古いあばら家となれば、さらに恐ろしさは増す。

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