第898話我が背子に 我が恋ふらくは 夏草の

我が背子に 我が恋ふらくは 夏草の 刈り除くけれども 生ひしくごとし

                           (巻11-2769)


あの人への私の恋心は、夏の草を刈っても刈っても、生えて来てしまうようなものなのです。


夏の草は刈っても刈っても、すぐに生えて来る。

私の恋心も、それと同じ。

恋心を断とうとしても、次から次へと、恋心が湧いて来る。

だから、とても恋心を完全に取り除くなどは無理と詠む。


除草剤も草刈り機も無かった古代では、全て人力で生え続ける夏草を処理しなくてならないから、本当に大変だったと思う。



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