第884話窓越しに 月おし照りて あしひきの

窓越しに 月おし照りて あしひきの あらし吹く夜は 君をしぞ思ふ

                         (巻11-2679)

※窓越しに:「窓」は「間戸」。明かり取りのための戸。高窓で押戸を設けてあったとの説がある。

※あしひきの:山にかかる枕詞。そのためこの歌の「あらし」は「山の嵐」の意味になる。


窓越しに月が明るく照り渡り、山から嵐のような強い風が吹きつける夜は、貴方のことを思ってしまうのです。


特に古代の家で、月が照り渡るような空気が乾燥した夜に、嵐のような強い風が吹けばガタガタと揺れて、不安も強かったと思う。

だからこそ、頼りになる男に一緒にいて欲しいと思う。

実にわかりやすく、素直な歌と解釈した。


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