第878話真袖もち 床うち掃ひ 君待つと
真袖もち 床うち掃ひ 君待つと 居りし間に 月かたぶきぬ
(巻11-2667)
※真袖:両袖。
両袖で、寝床の塵を払い清めて、貴方を待って時を過ごしているうちに、月が傾いてしまいした。
「真袖もち 床うち掃ひ」は、女性が共寝をする準備の行為。
特に「床うち掃ひ」は、共寝の願いを成就させるための、呪術的な意味もあったとされている。
しかし、その効果もなく、男が来ることはなく、月はそのまま、傾いてしまったと嘆く。
現実として、月が傾いてしまえば、現代とは異なり、古代の夜道は暗い。
暗い夜道を、男が来る可能性は、ますます低くなる。
「せっかく、ずっと待ったのに」
待ちぼうけの寂しいため息が聞こえて来るような歌である。
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