黒髪の　白髪までもと　結びてし　心ひとつを　今解かめやも

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（巻11-2602）

黒髪がすっかり白髪になったとしても、いつまでも変わりませんと、しっかり結んだ心一つを、今さら解くようなことなど、あるでしょうか。

何があっても、貴方といつまでも一緒。

それ以外は、考えられないと詠う。

諸注釈では

・妻の浮気を心配した夫への反論。

・人妻に懸想して来た男への拒絶。

が代表的なものになるけれど、いささか、不純に過ぎるのではないか。

夫が何らかの原因で、苦境に陥った時に、「いつまでも、しっかりと支えます」と言い切る妻が詠んだ、と考えたい。

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