現にも　夢にも我は　思はずき　古りたる君に　ここに逢はむとは

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（巻11-2601）

この世の現実としても、あるいは夢の世界でとも、思ってはおりませんでした。

昔馴染みの貴方に、ここで再びお逢いしようとは。

何らかの原因で長期間別れた男女の再会の歌。

女としては「現にも　夢にも我は　思はずき」なので、男に対する気持ちも途絶えていた、とする説。

あるいは、実際は気持ちは途絶えていなくて、たまたまフラリと逢いに来た男に「皮肉の一つ」も言いたかったとする説がある。

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