第826話立ちて思ふ 居てもそ思ふ 紅の
立ちて思ふ 居てもそ思ふ 紅の 赤裳裾引き 去にし姿を
(巻11-2550)
立っていても思ってしまう。
座っていても、やはり思ってしまう。
紅染めの赤裳の裾を引きながら歩み去って行った姿を。
別れ去って行った女を偲ぶ歌。
尚、赤裳の裾を引いて行く女の姿は、古代の男性の最も憧れの姿だったとか。
また、この歌の引用が、源氏物語真木柱にされている。
帝が、美しい内侍の玉鬘が退出して行く姿を、「赤裳たれ引きいにし姿を」と偲んでいる。
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