第827話思ひにし 余りにしかば すべをなみ
思ひにし 余りにしかば すべをなみ 出でてそ行きし その門を見に
(巻11-2551)
とにかく恋の思いが、あまりにも強くて仕方がないので、恋する人の家の門を見ようと、家を出てきたのです。
まだ、恋愛が成就していない時期だろうか。
男は、思いが強くなりすぎて、一目でも見かけたい、と思ったのだろう。
せめて、女の家の門の前まで来れば、偶然にでも見かけるかもしれないと、ふらふらと自分の家を出てきてしまった。
古代は婿入り婚。
こんな行動を繰り返した男も、数え切れないほどあったに違いない。
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