現にも　逢ふよしもなし　夢にだに　間なく見え君　恋に死ぬべし

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（巻11-2544）

現実には、逢える手立てが全くないのです。

せめて、夢にだけでも、貴方はいつでもお見えになって欲しいのです。

そうでないと、恋の苦しさに死んでしまいそうです。

何故、現実には逢う手立てが全くないのか。

女は単に「遊ばれただけ」で、男の気持ちが全くないのか。

男が、どこか遠い地方に任官でもしてしまったのか。

あるいは、命がないのか。

いずれにせよ、待つ女の苦しさを詠んだ名歌と思う。

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