第818話鳴る神の しましとよもし さし曇り
鳴る神の しましとよもし さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ
(巻11-2513)
鳴る神の しましとよもし 降らずとも 我は留まらむ 妹し留めば
(巻11-2514)
雷が少しでもいいから鳴ってくれて、空も曇って来て、雨も降ってくれないでしょうか、貴方をここに引き留めておきたいので。
雷が少し鳴って、雨が降らなくても、私はここに留まるよ、可愛い貴方が引き留めてくれるなら。
実にわかりやすい問答の基本のような歌。
女は雷にお願いしてでも、男を引き留めたい。
男は、そんなことをしなくても、女の気持ちで留まるよ、と応える。
さて、こんな問答の後は、想像するのも野暮になる。
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