第806話水底に 生ふる玉藻の うちなびき

水底に 生ふる玉藻の うちなびき 心は寄りて 恋ふるこのころ

                       (巻11-2482)

しきたへの 衣手離れて 玉藻なす なびきか寝らむ 我を待ちかてに

                       (巻11-2483)

※しきたへの:衣にかかる枕詞。


水の底に生える玉藻が水の流れになびくように、私の心は貴方になびき寄り、恋し続けるこの頃です。


共寝の衣も離れ離れとなり、心を私になびかせて寝ているだろうか、私の帰りを待ちながら。


離れ離れになった夫婦の歌だろうか。

逢えないからこそ、想いは募る。

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