第801話山の端を 追ふ三日月の はつはつに

山の端を 追ふ三日月の はつはつに 妹をそ見つる 恋しきまでに

                         (巻11-2461)

※はつはつに:ほんの少し、ちらりとだけ。


山の端に、今しも消えて行く三日月のように、ほんの少し、ちらりとだけあの子を見てしまいました、恋しくて我慢できないので。


目を合わせてしまうことなど、恥ずかしくて出来ないほどの、少年の初心な恋心。

しかし、本心は恋しくて、見たくて仕方がない。

だから、本当に少し、ちらりとだけ見る。


「山の端を 追ふ三日月の はつはつに」も、美しい表現。

なかなか感性が豊かな歌人と想像ができる。

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