第695話このころの 秋風寒し 萩の花

このころの 秋風寒し 萩の花 散らす白露 置きにけらしも

                     (巻10-2175)

※このころの:現代語の「このごろの」と同じ意味。ただし、万葉集中では、この一首のみ。


このごろの秋風は実に寒く感じられます。

萩の花を散らしてしまうような、白露が降りているのでしょうか。


肌にあたる秋風の冷たさから、白露により散って行く萩の花を心配してしまう。

これも、晩秋を詠む名歌と思う。



白露の「置き」を、「降り」と訳してみた。

諸解説書では、「置いた」が主流であるけれど、現代日本語では意味が通りにくいと考えた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る