第696話春は萌え 夏は緑に 紅の

春は萌え 夏は緑に 紅の まだらに見ゆる 秋の山かも

                    (巻10-2177)


春は花や草木が一斉に芽生え、夏は一面の緑におおわれ、今は紅がまだら模様に見える秋の山です。


季節ごとの山の色の変化を詠んだわかりやすい歌。

古代人、特に庶民は暦で季節を知るわけではない。

目に見える自然、肌にあたる風、それぞれの変化で、季節を知った。


また時計(時間)により動くのではない。

太陽が昇ったから起きる。

暗くなったから、家に帰る。

そんな自然に即した生活だった。


決して、時の為政者に統治の都合で押し付けられた暦や時間で、生きていたのではない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る