第694話秋田刈る 仮廬を作り 我が居れば
秋田刈る 仮廬を作り 我が居れば 衣手寒く 露そ置きける
(巻10-2174)
※秋田刈る仮廬:稲刈り作業中に、田のそばに作る仮小屋。ススキで屋根をふくなどの簡素な造り。
稲刈りのための仮小屋を作ってその中にいると、袖に寒さを感じたので、
袖を見ると、露で湿っておりました。
シンプルであるけれど、稲刈り中の実感がこめられた歌と思う。
現代では機械で刈り取るのが主流で、仮小屋など、作らない。
しかし、古代の稲刈りでは、それに従事した人が、ほとんど覚えた感覚。
遠い祖先たちの実感に、この歌を通じて、少しだけ近づいたような気がする。
尚、この歌は、百人一首の巻頭歌、天智天皇御製として伝えられている
秋の田の 仮廬の廬の 苫を荒み 我が衣手は 露に濡れつつ
との関連性も指摘されている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます