第664話我妹子に 楝の花は 散り過ぎず

我妹子に 楝の花は 散り過ぎず 今咲けるごと ありこせぬかも

                       (巻10-1973)

※楝(あふち):栴檀の木。初夏に、約二週間ほど、高い梢をレース模様のようにおおい、淡い紫の小さな花が咲く。

※我妹子:「逢う」から、「楝の花」にかかる枕詞。


愛しいあの子に逢えると言われている、楝の花は散り去ってしまわないで欲しい。

今、咲いているままでいて欲しいのです。


目の前で咲いている花が美しいので、咲き続けて欲しいと願う。

「我妹子」とかけてあるので、新婚の若い妻の美しさの永遠を願う意図もあるのかもしれない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る