第665話春日野の 藤は散りにて 何をかも

春日野の 藤は散りにて 何をかも み狩りの人の 折りてかざさむ

                       (巻10-1974)


※み狩りの人:この歌では、五月五日の薬狩りをする官人たちのこと。尚、薬狩りは、薬草や鹿の袋角を採る行事。


春日野の藤の花は既に散ってしまいました。

み狩りの人たちは、これからは一体何を折り取って、かざしにするのでしょうか。


藤の花は美しく、藤を手にした美しい女性は、藤娘と呼ばれ、藤の花が咲き誇りなびく様子は藤波とも表現された。


おそらく藤娘とも称される美しい娘に相手ができてしまい、それに落胆した失恋の歌のような気がする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る